■7月9~10日「東京、浅草観音 四万六千日」です。■
東京都内最古の寺院、金龍山「浅草寺(せんそうじ)」の本尊は聖観世音菩薩。もともと天台宗に属していましたが、戦後独立して聖観音の総本山となりました。
「四万六千日(しまんろくせんにち)」は、浅草寺の縁日で、「千日詣(せんにちもうで)」「千日参(せんにちまいり)」とも。この日に参拝すれば、四万六千日参詣したのと同じ御利益や功徳があるといわれます。京都の清水観音で初めて行なわれ、その後全国に伝わりました。浅草寺の他に、護国寺、愛宕神社の千日詣が有名です。
推古天皇36年(628)3月18日未明、宮戸川(現・隅田川)に投網漁をしていた漁師の檜前浜成・竹成(ひのくまのはまなり・たけなり)兄弟の網に一体の仏像がかかりました。それを拝した兄弟の主人・豪族の土師真中知(はじのまなかち)は、尊い観音像であることを知り、深く帰依して自宅を寺とし、観音像を奉安して礼拝供養に勤めました。
大化元年(645)勝海上人がこの地に留まり観音堂を建立し、夢告にて本尊は秘仏と定められ、武蔵国の観音信仰の中心地となりました。
平安時代初期の天安元年(857)延暦寺の僧・円仁(慈覚大師)の巡拝により伽藍の整備と「お前立ち」(秘仏の代わりに拝するための像)を造りました。
「雷門」「仁王門」は、天慶5年(942)安房守平公雅が武蔵守に任ぜられた際に創建したと伝わます。
江戸時代後半には、境内に商店や芝居小屋が設けられ、大道芸人が集まるという庶民の娯楽的役割も果たしていました。明治初期には境内が公園地に指定され、表参道に「仲見世」が整備されました。
浅草寺は観音菩薩を本尊とすることから「浅草観音」などと称されます。都内では唯一の坂東三十三箇所観音霊場の札所(13番)です。また、浅草寺は「あさくさでら」と親しまれています。江戸三十三箇所観音霊場札所1番です。
四万六千日の縁日に合わせて「ほおずき市」が立ちます。境内にはヨシズ張りの露店が軒を連ね、ほおずき、金魚、風鈴などが売られ、風情ある光景が見られます。
ほおずき市は、古くから朝顔市とともに夏の風物詩として下町の人々に親しまれてきました。
由来は、源頼朝が奥州征伐の帰り、浅草で軍勢を休ませ、日射病で倒れた兵士にほおずきの実を食べさせて元気づけた、という言い伝えによるものです。
浅草寺
◇東京都台東区浅草2-3-1
◇都営浅草線・銀座線・東武鉄道「浅草駅」徒歩5分
公式サイト:https://www.senso-ji.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
東京の夏の風物詩、浅草寺ほおずき市と浅草観音の縁日、千日詣です。この季節になると下町でも浴衣や甚平姿をよく見かけます。ほおずき市、縁日で市が立つと夏本番を感じさせます。
体調管理が難しい時期です。読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白