■7月30日~8月9日「十方暮れ入り」です。■
「十方暮れ:じっぽうぐれ・じゅっぽうぐれ」とは、干支を五行に配当したときに「上下互いに尅(こく)する」干支「甲申~癸巳」までの10日間のことをいいます。但し、丙戌と己丑の日は間日(まび)になります。
1日目 甲申=金尅木
2日目 乙酉=金尅木
3日目 丙戌=火生土(間日)
4日目 丁亥=水尅火
5日目 戊子=土尅水
6日目 己丑=土和土(間日)
7日目 庚寅=金尅木
8日目 辛卯=金尅木
9日目 壬辰=土尅水
最終日 癸巳=水尅火
十方暮れの「十方」とは、「天地八方」を指します。
正確には四正(しせい)方位「東西南北」と、四隅(しぐう)方位「南東・南西・北西・北東」の八方位に「天地:てんち」を合わせた十方位のことです。または「十方世界」ともいい私たちが右往左往する現実の世界、すべての方角に無限に存在する世界の全てのことを示します。
そして十方が「四方八方閉ざされた状態」を「十方暮れ」といい、旧暦の解説書には「途方に暮れるの語呂合わせ」と書かれています。または「十方暗」「十方闇」ともいいます。それにしても、やはり「とほうくれ」と読みたくなるほど、うまくいかなく「途方に暮れる」期間なのでしょう。十方が暗い(暮)ので、天気が良くない日が続きます。
◇◇◇十方暮れ心得◇◇◇
「十方暮れ」は暦の上で発祥は定かではありませんが、五行説では相性の合わない日とされています。この時期、雨が降っても大したことなく、降りそうで降らない曇りがちの(すっきりしない)天気が続きます。転じて暗雲(問題)が立ち込めているが雨(解決)が降らないという中途半端な状態です。
なかなか進まないことに業を煮やして、一挙解決に向けて事を起こしても逆効果です。解決どころか反対にこじらせて損失を招く恐れがあります。十方暮れ期間中は、あわてずに「過ぎるを待つ」が最大の解決方法です
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
十方暮れは二十四節気「大暑」でもうすぐ8月です。十方暮れの期間は手を尽くし、静かにじっと待つことも、問題解決です。静かにしていれば薄日が指すのがおのずと感じらるものです。十方に暮れるとは、「人事を尽くして天命を待つ」の考え方を、暦に取り入れたのかもしれません。
皆様、「ないと思うな運と災難」、時節柄お身体ご自愛専一の程
筆者敬白