■1月15日「臘日(ろうにち)」です。■
「臘日:ろうにち・ろうじつ」とは、二十四節気「大寒」に近い辰の日のことを指します。
日本最古の暦「具注暦」にも記載されていた暦注のひとつです。
臘日は、一年の最後の日(旧暦12月)で、大晦日・大晦・大年・大歳とも呼ばれていました。
この日には神事、嫁取りなどは避けるとされています。
「臘」の文字は「繋げる」の意と、「猟」のことです。もともと中国では「臘祭」という祭礼が行われていました。
これは、今年と来年を繋ぎ、先祖の霊に狩をして貢ぎ捧げる祭りでした。
◇循環暦の記述には~
「夏には嘉平と曰ひ、殷には清祀と曰ひ、周には大錯と曰ひ、秦には初て臘と曰ふ、皆祭の名也、主る者の各其行之盛日を以て祖と為し、終の日を以て臘と為す。
乃至今の臘は辰日を以て臘日に取る。
夫れ季冬は水之終る時也。辰日は土之位也。
乃ち水土を以て本と為る故に大寒に近き辰日を臘として獣を取って先祖を祭り、鬼神に報する也、是の故に季冬を臘月と曰ひ大寒に近き辰日を臘日と云ふ」とあります。
つまり、「辰:たつ」は、陰陽五行説では「土気:どき」で、冬は同じく「水気:すいき」なので「土剋水:どこくすい」となり、水気を土気で剋する(コントロールする)ために狩をして貢物を奉じて「辰の日を臘日とする」と説いています。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
臘日とは古くからの習慣で現代では忘れ去られた暦です。現代に置き換えれば「肉」を供える日ということになるのでしょう。肉が手に入らない貴重な食料だった時代の名残りです。
便利な社会の中で忘れ去られた暦を振り返ることも余裕のひとつです。
暦の謂れを知ることで、古くからの習慣や生活様式を紐解くなど、私たちの生活にもゆとりを持ちましょう。
筆者敬白