■1月10日「初亥」です。■
毎月「亥の日」は「摩利支天:まりしてん」の縁日です。正月初めの亥の日を「初亥:はつい」といって賑わいます。
摩利支天は「日光」(陽炎:かげろう)を神格化したもので、日天に属し、国家と国民を守るという女神です。陽炎は実体がないので捉えられず、焼けず、濡らせず、傷付かないといいます。
あるいは「威光」と訳され、インド神話の風神のひとつで、常に太陽に付き従って自在の通力を持つといわれる女神とされています。摩里支、末利支とも表し、摩利支菩薩、摩利支提婆とも称します。
「仏説摩利支天菩薩陀羅尼経」によれば、常に日の前に居て、日に仕えるが、その姿は日から見えず、また人からも見ることは出来ません。故に、人に捉えられたり欺誑されることもなく、害されたり、また怨まれる者に自分のことを知られることがありません。
摩利支天を念ずると一切の災いを免れ、身を隠す術を得ることが出来るという。諸天善神の中で最も霊験あらたかな守護神といわれ、武勇の神として祀られ、中世に武士の守り本尊として信仰を集めました。護身・隠身・遠行・得財・勝利にご利益があるといわれます。
その像の多くは「八臂:はっぴ」※あるいは「三面六臂:さんめんろっぴ」※で、金剛猪身に乗る天神像などで表されます。猪の上に立つことから「亥の日」が縁日となりました。
※臂(ひ):手(腕)の数。八臂/八本の腕がある。
※三面六臂(さんめんろっぴ):三つの顔と六つの腕をもつ意、転じて何人分かの働きをすることの例え。意味は、一人で多方面にわたって活躍すること。※「面」=顔。「臂」=手・腕。
※八面六臂(類似語/はつめんろっぴ):もとは仏像などで八つの顔と六本の腕をもっていること。転じて多方面で、めざましい活躍をすること。
現在では、芸者や相場師などの信仰を集めています。特に、京都建仁寺の禅居庵裏の摩利支天、東京上野の広小路裏の徳大寺摩利支天が有名です。
建仁寺
◇京都市東山区大和大路通四条下る小松町
◇JR「京都駅」~バス タクシー10分
◇HP:http://www.kenninji.jp/
徳大寺
◇東京都台東区上野4丁目6番2号
◇JR山手線・京浜東北線「御徒町駅」徒歩2分
◇公式HP:http://www.marishiten-tokudaiji.com/