◆二十四節気◆令和7年(2025)1月5日「小寒(しょうかん)」です。◆
1月5日11時33分「小寒(しょうかん)」です。旧暦12月、丑(うし)の月の正節で、冬至後15日目。新暦1月5日か6日頃にあたります。天文学的には太陽が黄経285度の点を通過するときをいいます。
「小寒」とは寒さがまだ最大ではないといった意ですが、季節は本格的な冬です。「小寒の氷、大寒に解く(しょうかんのこおり、だいかんにとく)」の喩えのように、実際には小寒の頃のほうが、寒さが厳しいようです。ちなみに、この諺には「物事が必ずしも順序どおりにはいかない」という意が含まれています。
この日をもって「寒の入り」とし、「寒中見舞い」が出されます。小寒から節分までを「寒」「寒中」「寒の内」といい、約30日間ほど厳しい寒さが続きます。暦便覧では「冬至より一陽起こる故に陰気に逆らふ故、益々冷える也」と説いています。
「寒中見舞い」は、「暑中見舞い」に比べると出す人は少ないようです。年賀状を出すのが遅くなってしまった場合や、喪中に年賀状が届いた人への返信に利用するのが一般的です。
小寒から4日目は「寒四郎」、9日目は「寒九郎」と呼ばれます。「寒四郎」は麦作の撰日(予想日)とされ、この日の天候によって、収穫に影響があるとされてました。晴れだと豊作で、雨や雪だと凶作になるということです。
また、俗に「彼岸太郎、八専次郎、土用三郎、寒四郎」といい、彼岸の1日目、八専の2日目、土用の3日目、寒の4日目に雨が降るとその後に雨が降り続きやすく、晴天だとその年は豊年といわれました。「八専太郎、槌次郎、土用三郎、寒四郎」(八専の1日目、犯土の2日目、土用の3日目、寒の4日目)ともいわれます。
「寒九郎」は「寒九の雨」といって、この日に雨が降ればその年の豊作の兆しとして、農家では喜ばれました。また、「寒九の水」は、寒に入って9日目にくんだ水のことで、薬を飲むのによい、何に用いても虫が喰わないなど、さまざまな効能があるとされていました。
◆◆「七十二侯」◆◆
◆初候「芹乃栄」(せり すなわち さかう)
◇空気が冷え、澄みきるようになり、芹がよく生育する時節。
◆次候「水泉動」(すいせん うごく)
◇地中では凍った泉が動き始める時節。水泉=わき出る泉。
◆末候「雉始雊」(ち はじめて なく)
◇雄の雉(キジ)が鳴き始める時節。
◆◆「1月の花」◆◆
◇「黄梅(おうばい)」◇ 木犀科 ソケイ(ジャスミン)属。学名「Jasminum(ジャスミン)」は、アラビア語の「yasmin(マツリカ)」の名に由来。別名:迎春花。
原産は中国。江戸時代初期に渡来。開花時期は1月10日から3月20日頃。鮮やかな黄色の花が咲き、昔から鉢植えや盆栽などに利用されています。枝は横に伸びて地上を這う性質で、花が咲く時には葉は出ていません。
黄色い花が梅に似ていることと、同時期に咲くことから「黄梅」という名がついていますが、そもそも「梅」とは関係なく、ジャスミンの仲間で、香りはありません。
中国では、旧正月(2月)に咲き出すことから「迎春花(げいしゅんか)」と呼ばれ、吉兆の花、めでたい花とされます。
花言葉は「恩恵」「優美」「控えめな美」など。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
本来、暮れから正月を経て「小寒」の時期には、水仙など冬の花の開花期に重なって、道端の片隅に季節を感じられるはずでした。しかし、令和6年の元日の午後、年が明けるやいなや能登半島地震が発生しました。大寒よりも寒さが厳しいといわれる小寒の時節です。北陸の冬の寒さが心配です。被災された方々が一日も早く安心して暮らせるよう心からお祈りします。
筆者敬白