2024.01.03
1月
雑節・歴注・撰日

令和6年(2024)1月7日「人日(じんじつ)」です。

■1月7日「人日(じんじつ)」です。■

中国の古い風習で「正月の1日から6日までは獣畜を占い、7日に人を占う」ところから7日を「人日(じんじつ)」といいます。

「人日」の謂れは、正月1日「鶏(にわとり)の日」、2日「狗(いぬ)の日」、3日「猪(いのしし)の日」、4日「羊(ひつじ)の日」、5日「牛(うし)の日」、6日「馬の日」、として、それぞれの日にはその動物を殺さないようにしました。そして、7日の日には犯罪者に対する刑罰を行わないことになっていました。6日間は動物で、7日目には人間というわけです。

この日「七種菜羹(しちしゅさいこう、7種類の野菜の汁物)」を食べて無病を祈る風習がありました。また、この日の天候で、その年の運勢を占いました。もし晴れなら「幸」があり、曇りなら「災い」があるとされていました。

日本では古来、新年に野に出て雪の間から芽を出した草を摘む「若菜摘み」という風習がありました。これを羹(あつもの:汁物)にして食したのが「七草粥」の始まりと言われています。「君がため春の野に出でて若菜つむ わが衣手に雪はふりつつ」(光孝天皇「小倉百人一首」)のなかで若菜を摘んでいるのは、この「若菜摘み」の習わしです。

やがて、中国の「人日」と合わさり、1月7日は、宮中を中心に「五節句」のひとつに数えられるようになりました。
五節句には、3月3日(上巳、ひな祭)、5月5日(端午の節句)、7月7日(七夕)、9月9日(重陽)のように奇数の重なる日が選ばれていますが、1月だけは1日(元旦)を別格とし、7日の人日(じんじつ)を五節句の中に取り入れ、江戸時代には一般に定着しました。この日、一年の無病息災を願って、春の七草や餅などを具材とする「七草粥」を食します。

「五節句」は明治6年(1873)に廃止されましたが、今でも暦の上ではそのなごりを留めています。

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