2023.12.31
1月
雑節・歴注・撰日

令和6年(2024)1月4日「初卯(はつう)」です。

■1月4日「初卯(はつう)」です。■

初卯(はつう)〔※〕とは、その年の初めての「卯(う)」の日のことです。初卯の日に参拝することを「初卯詣」といいます。

京都・上賀茂神社(かみがもじんじゃ)では、「卯杖(うづえ)」を神前に奉る神事が執り行われます。卯杖とは、中が空洞になった空木を二本あわせて、藪柑子(やぶこうじ)※と石菖蒲(せきしょうぶ)〔※〕紙垂(しで)〔※〕を挟んで、日蔭蔓(ひかげのかずら)〔※〕を飾ったものです。平安時代には、特に邪気を祓うものとして用いられました。元旦より節分までの間、同様のものが授与されます。上賀茂神社以外の神社でも「卯の札」という神符を賜ります。

東京・亀戸天神社(かめいどてんじんしゃ)では、初卯の日に境内に隣接する御嶽神社(みたけじんじゃ)の縁日が開かれます。御嶽神社は菅原道真公の学問の師である延暦寺第13代座主、法性坊尊意(ほっしょうぼう そんい)僧正を祀ります。法性坊が天慶3年(930)2月の卯の日、卯の刻に亡くなったことから「卯の神」と敬愛され、特に1月の初卯、二の卯、三の卯は「卯槌(うづち)」「卯の神札」が配られ、福徳・才智・愛敬を願い、除病・延命を祈るようになりました。

 

※初卯(はつう):
十二支(じゅうにし)〔※〕新年になって初めての卯の日のこと、稲荷社によっては二の卯、三の卯を祭事と司る神社もある。

※十二支(じゅうにし):十二支(じゅうにし)とは、子(ネズミ)・丑(牛)・寅(トラ)・卯(うさぎ)・竜(龍)・未(蛇)・午(馬)・羊(ヒツジ)・申(サル)・酉(にわとり)・戌(犬)・猪(いのしし)の12種の動物を現す漢字のこと。同様に「十干(じっかん)」〔※〕と組み合わせることで、60を1周期とする「干支(えと)」を形成し、方角や時間、暦に用いられる。また、陰陽五行説と組み合わせることで「卦(け)」にも応用されるようになった。

※十干(じっかん):
木・火・土・金(ごん)・水の五行(五行)を兄(え)・弟(と)に分けたもの。年・日を現す。甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)。十二支と組み合わせて使う。

※十二支エピソード:
順番を決めるため神様が動物たちを召集し先着順であると伝えられ、ネズミはウシの背にしがみついて移動の労力を減らすなどの策略により、見事1番手となる。一方ネズミの策略に利用されたウシは、足が遅いことを自覚しており、早起きして召集に応じた結果2番手となる。こうして他の動物も順次到着し十二支の動物が決まるが、ネズミのうその伝言によってネコは一日遅れてしまい、ネコは十二支から外れた。それ以来ネコはネズミを恨み追い回すようになったとか。
イノシシとイヌは脚力を過信し、寝過ごしてしまい11番手と12番手になってしまった「早起きは三文の徳」という教訓話になっている。サルとイヌの仲が悪く、いがみ合っていたところをニワトリが仲裁しながら到着したため、サルとイヌの間にニワトリが入ることになった、神様が「十支」で締め切ろうとしたところ、イノシシが体当たりによって神の門を破壊し押し通ったが、イノシシが突進したショックで失神した隙を突いてイヌも飛び込んだとされている。

※紙垂(しで):
紙垂は榊の枝や串(五平串)などに垂らす紙片(上方)や布(木綿:ゆう)を言います。 また注連縄(しめなわ)に垂らし神域(しんいき)や祭場を示し清浄するものです。

ヒカゲノカズラ

※藪柑子(やぶこうじ):日本の北海道南部(奥尻島)、本州、四国、九州に分布し、丘陵地林内の木陰にふつうに自生する植物

※石菖蒲(せきしょうぶ):漢方薬の原料にもなる植物、頭をよくする薬草として知られていて、健忘症などによく効くとして用いられている

※日蔭蔓(ひかげのかずら):山野に自生する多年草で、つる状ながらも他の植物の上に這い上ることはなく、地表をはい回っている植物

上賀茂神社(賀茂別雷神社)
◇京都市北区上賀茂本山339番地
◇JR「京都駅」よりバス
◇地下鉄烏丸線「北大路駅」徒歩20分、「北山駅」徒歩15分
◇公式サイト:https://www.kamigamojinja.jp

亀戸天神社
◇東京都江東区亀戸3丁目6番地1号
◇JR総武線「亀戸駅」徒歩15分
◇JR総武線・地下鉄半蔵門線「錦糸町駅」徒歩15分
◇公式サイト:http://kameidotenjin.or.jp

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