■2月10日「京都、伏見稲荷 初午祭」です。■
「初午祭」とは、稲荷大神が天界より天降りて、稲荷山の三ヶ峰に初めて鎮座した和銅4年(711)の最初の午の日を偲ぶ祭りです。2月の初の午の日を「初午祭」として、伏見稲荷大社をはじめ全国的に祭礼が行われます。
初午詣は、福詣とも呼ばれ、前日の巳の日から参詣者が訪れます。京洛初春第一の祭事とされています。授与される「しるしの杉」は商売繁盛・家内安全の御符として、古くから拝受する風習が盛んです。
今日「初午」といえば、年中で最も寒い時季に当り、時として節分の前にめぐり来ることすらありますが、古くは旧暦を用いていたので、節分前に「初午」が来ることはありませんでした。もう少し春めいた頃にめぐり、四季の移ろいを敏感にとらえ、その中に「もののあわれ」を見出した当時の人々は、「初午」にはこぞって稲荷社に詣でたものでした。今昔物語や枕草子から、平安時代の初期「初午詣」は老若男女がうち連れて郡参した様子が伺えます。
伏見稲荷大社は、全国の稲荷社の総本宮です。御祭神は、宇迦之御魂大神(下社=中央座)・佐田彦大神(中社=北座)・大宮能売大神(上社=南座)・田中大神(田中社=最北座)・四大神(四大神=最南座)。
御神徳は「衣食住ノ大祖ニシテ万民豊楽ノ神霊ナリ」(稲荷谷響記)、また「上ハ天子ヨリ下ハ万民ニイタル幸福豊楽ノ神明ナリ」(神号伝併後附十五箇條口授伝之和解)とあります。
御神号は「イナリ」を「伊奈利」と記。イナリとは、イネナリ・イネニナルのつづまったもので、人間生活の根源であった「稲」によって、天地の霊徳を象徴した古語とされています。因みに「伏見」は「伏水」だったそうで、伏見の山にはたくさんの滝があります。
伏見稲荷大社
◇京都市伏見区深草薮之内町68番地
◇京阪電車「伏見稲荷駅」徒歩5分
公式HP:http://inari.jp/