■2月1日「福井、永平寺 涅槃会摂心」です。■
曹洞宗大本山「永平寺」は、今から約750年前の寛元2年(1244)道元禅師によって開山された出家参禅の道場です。本尊に「釈迦如来」「弥勒仏」「阿弥陀如来」の三世仏(現在・未来・過去を表わす)他、禅宗初祖の達磨像、道元の師である如浄禅師像などが安置されます。
室町時代には、後円融天皇から「曹洞宗第一道場」の勅額を贈られ、日本の禅修行の場として歴史を刻んできました。33万平方メートルにも及ぶ広大な敷地には、山門・仏殿・法堂・僧堂・大庫院・浴室・東司などの修行の中心となる「七堂伽藍」他、70余棟の建物が、樹齢600年を越える老杉の巨木に囲まれながら静かに佇んでいます。
150名の雲水たちによって、荘厳な雰囲気の中、現在も750年前に道元によって定められた厳しい作法に従って禅修行が営まれています。
中国にはじめて仏法が伝来した後漢明帝の時の元号は「永平」、「永久の和平」の意でこれが寺号の由来です。
2月1日~7日まで「涅槃会報恩大摂心会:ねはんえ ほうおん だいせっしんえ」が行われます。これは、1週間の間ほとんど眠らずに昼夜にわたる坐禅を行うもの。釈迦が菩提樹の下で1週間坐禅をして悟りを開いたことに因みます。
一般には釈迦が悟りを開いた12月8日に合わせて行いますが、それ以外に永平寺では2月の摂心会、同じく大本山の総持寺では6月中旬・下旬・7月下旬の各5日間夏の摂心会が行われます。
永平寺
◇福井県吉田郡永平寺町志比5-15
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
一年で最も雪の多く寒い時期に、永平寺では涅槃会です。忙しない現代社会の中で、1週間も涅槃会に参加できることは贅沢かもしれません。筆者は現世の塵を涅槃でおとしたいと切に願うものです。
読者の皆様、コロナにインフルエンザが流行っています。外出ではマスクを、帰宅したらうがい・手洗いで予防しましょう。
時節柄、お体ご自愛専一の程
筆者敬白