■2月23日 醍醐寺「五大力尊仁王会」です。■
「五大力尊仁王会(ごだいりきそんにんのうえ)」は、千百余年の歴史を持つ醍醐寺(だいごじ)の開山より続く「醍醐寺の五大力さん」として親しまれている法要です。近年では、男性は150kg、女性は90kgの巨大な鏡餅を持ち上げ、その力を奉納する「餅上げ力奉納」も有名です。
醍醐寺開創の地である「上醍醐(かみだいご)」の五大堂に祀られる「五大明王(ごだいみょうおう)」の功徳をたたえ、国家の安泰と万民の豊楽を祀ることから「五大力さん」として親しまれ、毎年3万人を越える参拝者があります。また、この日一日だけ授与される「五大力尊御影」は災難・盗難除けのお守りとして古くより広く信仰されています。
「醍醐寺(だいごじ)」は、真言宗醍醐派総本山の寺院で、山号を醍醐山(深雪山とも)と称します。本尊は薬師如来、開基は貞観16年(874)空海の孫弟子にあたる理源大師・聖宝(しょうぼう)が、准胝観音(じゅんでいかんのん、じゅんていかんのん)並びに如意輪観音(にょいりんかんのん)を笠取山頂上に迎えて開山。山頂付近を「醍醐山(だいごさん)」と名付けました。
多くの修験者の霊場として発展したあと、醍醐寺は醍醐天皇の祈願寺となり手厚い庇護を掛け、圧倒的な財力をもって醍醐山麓の広大な平地に大伽藍「下醍醐(しもだいご)」が出来上がりました。下醍醐と上醍醐は険しい山道によって隔てられ、徒歩で1時間を要します。
伏見区東方に広がる醍醐山(笠取山)に200万坪以上の広大な境内をもつ醍醐寺は、豊臣秀吉が「醍醐の花見」を催した地として知られ、「古都京都の文化財」の一部として世界遺産に登録されています。
醍醐寺
◇京都府京都市伏見区醍醐東大路町22
◇地下鉄東西線「醍醐駅」徒歩約10分
◇JR「京都駅」からバス「醍醐寺」下車
◇JR「山科駅」「六地蔵駅」からバス「醍醐寺前」下車
◇公式サイト:https://www.daigoji.or.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
平安時代から「花の醍醐」と呼ばれるほどの桜の名所である醍醐寺。慶長3年(1598)の春、豊臣秀吉は畿内から700本の桜を植え、三宝院の建物と庭園を造り、盛大な宴「醍醐の花見」を開きました。
秋には醍醐寺境内を紅葉が赤く染め上げます。なかでも紅葉と美しい調和を見せる三宝院庭園は秀吉自身が設計した庭園です。「醍醐の花見」のあと、秋の「醍醐の紅葉狩り」を楽しみにしていた秀吉でしたが、それは叶わず、その年の夏に62歳の生涯を閉じました。
2月下旬になり、寒暖差が激しくなってきました。
季節の変わり目です。
読者の皆様、風邪などひかないようにお体ご自愛専一の程
筆者敬白