■2月16日「日蓮聖人誕生会」です。■
鎌倉時代の仏教の僧「日蓮聖人(にちれんしょうにん)」は、貞応元年2月16日(1222年3月20日)安房国長狭郡東条郷片海(安房郡天津小湊町:現在の千葉県鴨川市)の小湊で誕生しました。幼名は「善日麿(ぜんにちまろ)」。
誕生の地・小湊には、降誕の時に庭先から泉が湧き出し産湯に使った「誕生水」、浜辺に季節外れの青蓮華が咲いた「蓮華ヶ渕」、海面に大小の鯛の群れが集まった「妙の浦(鯛の浦)」という不思議な3つの出来事「三奇端(さんきずい)」が今もなお語り継がれています。
天福元年(1233)清澄寺(せいちょうじ)の「道善(どうぜん)」を師として入門。暦仁元年(1238)に出家。「是聖房蓮長(ぜしょうぼうれんちょう)」の名を与えられました。また是聖房とも伝わります。
修行の道に入った是生房蓮長は、諸宗の中でいずれかが真の仏教かを求め、鎌倉、叡山、園城寺(三井寺)、南都(奈良)、高野山など各地を歴訪し、諸宗・諸経を学びました。
全ての仏経典を読破し、研鑽した結果「妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)」(法華経)こそが釈迦の本懐であり、法華経をないがしろにする当時の仏教界の矛盾を悟るに至ります。
そこで「法華経勧持品」に予証される末法出現の法華経の行者「上行菩薩の再誕」との立場から「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と唱えることを第一として教えをひ弘めはじめます。
建長5年(1253)清澄寺に帰山し、内々に両親および「浄顕房」「義浄房」に対して折伏(しゃくぶく)〔※〕を行い、内証〔※〕の上の宣言を行いました。
4月28日朝、昇ってくる太陽をはじめ宇宙法界に向かって「南無妙法蓮華経」の題目を唱え始め立宗宣言。この日の正午、清澄寺の持仏堂で初転法輪(しょてんぼうりん)〔※〕を行いました。
※折伏(しゃくぶく):折破摧伏(しゃくはさいぶく)の略。仏教で衆生を教え導くための方法のひとつ。相手の間違った思想に迎合することなく、正しいものは正しいと言い切り、相手と対話を通じて日蓮の仏法を伝えること。
※内証(ないしょう):みずから心のうちに仏教の真理を悟ること。また、その悟った真理。
※初転法輪(しょてんぼうりん)仏の教法を説くこと。仏法が誤った考えや煩悩を破砕することを、転輪聖王が輪宝という武器によって敵を降伏させたことからの喩え。
2月16日、法華経の題目「南無妙法蓮華経」を重んじる諸宗派は、宗祖とする日蓮大聖人聖誕の日にあたり、御誕生会(たんじょうえ)の法要が奉修されます。
日蓮聖人の生誕地に建てられた日蓮宗大本山「誕生寺(たんじょうじ)」では宗祖御降誕会(こうたんえ)を行います。当日はおみこしに日蓮聖人の幼像を遷座してお練り行列を行い、夜には竹灯籠のライトアップなど、町をあげてお祝いします。
大本山小湊 誕生寺
日蓮の生家跡に「高光山日蓮誕生寺」として建立。しかし明応地震、元禄地震と2度の大地震、大津波により現在の地に移転された。
◇千葉県鴨川市小湊183
◇JR外房線「安房小湊駅」徒歩20分、車5分
◇公式サイト:http://www.tanjoh-ji.jp
清澄寺
◇千葉県鴨川市清澄322-1
◇JR外房線「安房小湊駅」徒歩約25分、タクシー20分
◇JR外房線「安房天津駅」よりタクシー・バス15分
◇公式サイト:http://www.seichoji.com