■2月16~18日 松山「椿まつり」です。■
「立春に近い上弦の月の初期」と月齢を定められている春祭「椿まつり」は、愛媛県松山市の「椿神社」で行われる祭りです。一般的に「お椿さん」「お八日(おようか)」と呼ばれ親しまれています。
「椿神社」の正式名称は「伊豫豆比古命神社(いよずひこのみことじんじゃ)」。御祭神は「伊豫豆比古命(いよずひこのみこと)」「伊豫豆比売命(いよずひめのみこと)」「伊予主命(いよぬしのみこと)」「愛比売命(えひめのみこと)」。
御鎮座は二千余年の古くより、江戸時代には松山藩主・久松氏の篤い崇敬を受けました。縁起開運・商売繁昌の神様として全国から崇敬を集めます。
立春に近い上弦の月の初期は、冬の厳しい寒さも峠を越し、物の芽が動き始める頃。農閑期も終りを告げ、椿まつりの後は「田起し・播種」を始める慣習が、愛媛県をはじめ四国各地にあることからぶる「伊予路に春を呼ぶまつり」として大切にされてきました。
椿まつりは、初日午前0時の大太鼓から始まり、最終日24時までのぶる72時間、昼夜を徹して行われます。その昔、祈りを捧げた後には、大きな椿の木の下で山村で採れた「山の幸と海の幸」をやりとりする市が立ち、物々交換をしながら情報交換をする場でもあったようです。
参道には約約800もの露店が並び50万人の参詣者で賑わう四国一の大祭です。特殊神事として「貸銭(かしぜに)神事」「お忍びの渡御(おしのびのとぎょ)」「合せ火(あわせび)」が行われます。
貸銭神事は、神社から「守り金(20円)」を借り、翌年に倍額にして返すという珍しい行事です。誰でも無条件で借りることができ、一年の間、生業に励み、少しでも多くお返しできるように頑張ることを約束する意味があるといわれます。
伊豫豆比古命神社(いよずひこのみことじんじゃ)
◇愛媛県松山市居相2-2-1
◇伊予鉄バス「椿前停留所」徒歩約10分
◇公式サイト:https://tubaki.or.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
2月の椿まつりは松山に春を呼ぶ祭りです。暦の上では立春から春ですが、まだまだ寒い日が続いています。季節は徐々に春に向かっていきます。これから暦の上でも春の行事が増えてきます。
読者の皆様、まだまだ寒い日が続いていますが、ひと雨ごとに春の気配が濃くなってきました。
時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白