■2月12日「初午(はつうま)」です。■
伏見稲荷神社の御祭神である宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)が天界より伊奈利山(稲荷山)に天降りて三ヶ峰に初めて鎮座したのが、「和銅4年(711)午の日」とされています。そこで、2月の最初の午の日を「初午(はつうま)」といい、次の午の日を「二の午(にのうま)」といって稲荷の縁日が行われます。
宇迦之御魂神=稲荷神(いなりのかみ、いなりしん)は日本の神さまで、稲荷大明神ともいい、「お稲荷さん」「お稲荷様」と呼ばれ親しまれています。
「稲荷信仰(いなりしんこう)」は江戸時代に最も盛んでした。江戸に多いものとして「火事・喧嘩・伊勢屋・稲荷に犬の糞」と数えられたように、江戸にはいたるところにお稲荷さんがありました。稲荷神社のほかにも旗本、大名などの武家屋敷には必ず稲荷祠があり、町家の裏庭や長屋にも守り神として祠がありました。
もともと午の日は子どものお祭りでした。武家屋敷では近隣の町家の子どもたちを招いて遊ぶことを許したり、団子や甘酒、鮨、菓子など振舞っていたようです。
現在は、稲荷神は産業全般の神として信仰されています。
稲荷神社の総本社は、京都市伏見区にある「伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)」です。
また、神仏習合思想においては仏法における荼吉尼天(だきにてん)が本地仏とされ、その総本社は「豊川稲荷(とよかわいなり)」です。
「荼枳尼天・荼吉尼天(だきにてん)」は仏教の神。荼吉尼は梵語のダーキニー(Dakini)を音訳したもので、もとはインドの女神でした。もともと農業の神でしたが、のちに「性や愛欲を司る神」とされ、さらには「人肉もしくは生きた人間の心臓を食らう夜叉神」とされるようになりました。
ヒンドゥー教では、カーリーの眷属〔※〕とされます。この神が仏教に取り入れられ、大日如来が化身した大黒天によって調伏されて、死者の心臓であれば食べることを許可されたとしています。自由自在の通力を有し、6ヶ月前に人の死を知り、その人の心臓をとってこれを食べるといわれています。
※眷属(けんぞく):仏に対する様々な菩薩などを指す語として用いられ、薬師仏における十二神将や不動明王の八大童子、千手観音の二十八部衆などを指す。
伏見稲荷大社
◇京都市伏見区深草藪之内町68
◇JR「稲荷駅」下車すぐ
◇市バス「稲荷大社前」下車 徒歩約7分
◇京阪電車「伏見稲荷駅」下車 徒歩約5分
◇公式サイト:http://inari.jp/
豊川稲荷(豊川閣妙厳寺)
◇愛知県豊川市豊川町1
◇JR飯田線「豊川駅」徒歩5分
◇名鉄豊川線「豊川稲荷駅」徒歩5分
◇東名高速「豊川IC」から国道151号
◇公式サイト:https://www.toyokawainari.jp
笠間稲荷神社(かさまいなりじんじゃ)
◇茨城県笠間市笠間1番地
◇JR水戸線「笠間駅」徒歩20分
◇北関東自動車道「友部IC」~国道355号約15分
◇公式サイト:http://www.kasama.or.jp
祐徳稲荷神社(ゆうとくいなりじんじゃ)
◇佐賀県鹿島市古枝
◇JR長崎本線「肥前鹿島駅」よりバス
◇長崎自動車道「武雄北方IC」「嬉野IC」より30~40分
◇公式サイト:https://www.yutokusan.jp