■2月10日(旧元旦)出雲大社「福神祭(ふくじんさい)」です。■
八雲立つ出雲の国が神の国、神話の国として知られる出雲大社の御祭神「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ=だいこくさま)」は「所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)」と呼ばれます。
日本の国を国づくりした大国主大神は、その国土を皇室の御祖先神である天照大御神に「国譲り(くにゆずり)」しました。そして、目に見える世界である「現世(うつしよ)」は天照大御神が、目に見えない世界である「幽世(かくりよ=神々の世界・霊魂の界)」は大国主大神が治めることになりました。
大国主大神は幽世にて「幽(かく)れたる神事」を司り、目に見えない様々な「ご縁」を結ばれる大神として八百萬の神々と共に話し合いをするのです。
大国主大神といえば「縁結びの神さま」といわれますが、縁結びとは単に男女の仲を結ぶことだけでなく、人間が立派に成長するよう、社会が明るく楽しいものであるよう、すべてのものが幸福であるようにと、お互いの生成のためのつながりが結ばれることです。
「むすび」の御神徳とは、子どもの幸福を願って教導保護する親のように、大国主大神が私たち人間の幸福の縁を結んで下さることです。
「福神祭(ふくじんさい)」とは、旧正月元旦にあたる日に参拝者が神楽殿大広間にブル「お籠もり」をして、旧正月を大黒様の御許で迎えるという神事です。
福神祭がお仕えされる午前1時は「子(ね)の刻」で、「子」は干支の始まりです。子の意は、種子が新しい生命を宿して芽吹きはじめることから。物事のはじめであり、生きとし生けるものの生命のはじまりの子の刻に、この年の「福縁」が祈られます。
福神祭が終わるや否や、神楽殿内では「紙垂取り」が始まり、殿内に張り巡らされた注連縄の紙垂(しで)を競ってもらい受けます。この紙垂は竹の先につけて田畑に立てたり、神棚にお祀りすると五穀豊穣・家内安全などの福縁を招くとされています。
その後「純金福神御像」などが当籤する福授け抽籤が行われ、殿内は興奮と熱気に包まれます。
出雲大社
◇島根県出雲市大社町杵築東195
◇一畑電車「出雲大社前駅」徒歩7分
◇JR山陰本線「出雲市駅」バス25分
公式サイト:https://izumooyashiro.or.jp