■12月15日「年賀状特別扱い開始の日」です。■
全国の郵便局では、この日から年賀はがきの特別扱いを開始しています。
25日までに投函された分についての年賀はがきは、翌年1月1日(元旦)に必ず配達されるという特別な制度です。
年賀状とは新年に送られる郵便葉書やカードを用いた挨拶状のことです。日本では、古く奈良時代より新年の年始回りという年始の挨拶をする行事があり、平安時代には貴族や公家にも風習が広まり、挨拶が行えないような遠方などへの年始回りに変わるものとして書状でも交わされるようになりました。
江戸時代になると新年の挨拶は社会全般に広まり、飛脚が新年挨拶書状を運ぶようになって来ました。明治維新後の明治4年(1871)、郵便制度が確立しましたが、年賀状は書状で送る習慣が定着していました。
明治6年(1873)に「郵便はがき」を発行するようになると、年始の挨拶も葉書で年賀状を送る習慣が急速に広まったのです。
明治20年頃になると年賀状を出すことが国民の間に年末年始の行事の1つとして定着したのです。
明治20年頃になると年賀状を出すことが国民の間に年末年始の行事の1つとして定着したのです。
その結果、年末年始にかけて年賀状が集中し、郵便取扱量が何十倍にも膨れ上がり、通常郵便に加えて膨大な年賀状のため郵便物全体の処理が遅れ、年賀状以外の郵便物にも影響し通常より到着が遅れることがしばしば発生するようになりまた。
これを解決する対策として明治32年(1899)12月に指定された郵便局での年賀郵便の特別取扱が始まり、明治38年(1905)完全に全国の郵便局で実施されるようになりました。
なお年賀状は本来、元日に書いて投函していましたが、この特別取扱をきっかけに年末までに投函し元日に配達するようになったのです。
明治40年(1907)から葉書の表に「年賀」であることを表記すれば枚数にかかわらず郵便ポストに投函できるようになったのです。
◆◆◆◆編集後記◇◇◇◇
近年は、パソコンや携帯電話などインターネットの発達により、若い人をはじめ壮年や初老の方も年賀状を出さずメールやSNSで済ませる人も多くなって来ました。
この様な習慣はこれから益々増加して、郵便はがきでの新年のご挨拶は減少する一方のように感じます。「お年玉付き年賀はがき」のこれからの変化を観察していきたいものです。
皆様お体ご自愛専一の程
筆者敬白