■12月22日「ゆず湯」です。■
冬至の日に湯を沸かし、沐浴(髪を洗い、からだを洗うこと)する風習がありました。これが「ゆず湯」の始まりと言われています。現在でも、この日に「冬至粥」「冬至南瓜」「冬至蒟蒻」を食べ、「ゆず湯」に入る習慣が受け継がれています。南瓜(かぼちゃ)の色素「カロチン」は、体内でビタミンAの働きをし、ゆずなど柑橘類の皮に含まれている「芳香油」の作用は、肌荒れを防止し、湯冷めを防ぎます。
入浴は、血液の循環を良くし、新陳代謝を促し、疲労回復に大変効果があります。ゆずの皮の芳香油が、湯冷めを防ぐことは科学的に証明されています。入浴は健康のもと。ゆず湯は、冬の美容と健康を考えた生活の知恵です。
冬至の「ゆず湯」は有名ですが、11月みかん湯、10月生姜湯、9月菊湯、8月薄荷(ハッカ)湯、7月桃湯、6月どくだみ湯、5月菖蒲湯、4月さくら湯、3月ヨモギ湯、2月大根湯、正月松(まつ)湯、とあります。東京都内の銭湯ではこの日「ゆず湯」を実施しています。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
季節の植物を感じる沐浴は、風呂好きの日本人の風流なのかもしれません。季節柄、秋から冬にかけのみかん湯、生姜湯は天然由来薬用効能も確認されていて、温浴施設で体験することもできます。
月ごとの季節湯には、正月は松湯(まつゆ)、2月は大根湯(だいこんゆ)、3月は蓬湯(よもぎゆ)、4月は桜湯(さくらゆ)、5月は菖蒲湯(しょうぶゆ)、6月はドクダミ湯(どくだみゆ)、7月は桃湯(ももゆ)、8月は薄荷湯(はっかゆ)、9月は菊湯(きくゆ)、10月は生姜湯(しょうがゆ)、11月は蜜柑湯(みかんゆ)、12月は柚子湯(ゆずゆ)だそうです。(出典:季節湯)
一部の植物は香りを楽しむもので、薬用効果よりもアロマの効果もあるようです。 いつの時代も、リラックスできる温浴施設や湯治文化は日本独特のものと言えます。
季節の変わり目です。風呂上がりの湯冷めで、風邪などお召しにならないように、お体ご自愛専一の程。
筆者敬白