■12月12日「岡山、最上稲荷 火焚祭」です。■
日本三大稲荷の一つ「最上稲荷:さいじょういなり」の正式名称は「最上稲荷教総本山妙教寺」。明治の神仏分離令の際に、神仏習合の祭祀形態が許された寺で、神宮形式の本殿には本尊の「最上位経王大菩薩」を祀ります。
天平勝宝4年(752)報恩大師※に孝謙天皇※の病気平癒の勅命が下り、龍王山中腹の八畳岩で祈願を行いました。
すると白狐に乗った本尊の最上位経王大菩薩が八畳岩に降臨。大師はその尊影を刻み祈願を続け、無事快癒されたと伝わります。その後延暦4年(785)年、桓武天皇※ご病気の際にも、大師の祈願により快癒。
これを喜ばれた天皇の命により、現在の地に「龍王山神宮寺:じんぐうじ」を建立、繁栄しました。五穀豊穣、商売繁盛、開運など様々な御利益をもたらす神さまとして人々の信仰を集めます。
「火焚祭:ひたきさい」は、一年間、家内安全など家族を守り諸願を叶えた御札を焚き上げます。この炎にあたると一年を無病息災で過ごせると伝わります。この日は特別に「火難除札」が授与されます。両日で約2万人の参拝者が訪れます。
※報恩大師(ほうおんだいし ? – 795):備前国津富郡波河(岡山市芳賀)の出身という半ば伝説的な僧
※孝謙天皇(こうけんてんのう 養老2年(718)‐ 神護景雲4年(770))第46代天皇、第48代天皇 重祚して称徳天皇(しょうとくてんのう)父は聖武天皇、母は藤原氏出身で史上初の人臣から皇后となった光明皇后(光明子)。生前に「宝字称徳孝謙皇帝」の尊号が贈られている。『続日本紀』では終始「高野天皇」と呼ばれており、「高野姫天皇」「倭根子天皇(やまとねこのすめらみこと)」とも称された。史上6人目の女性天皇で、天武系からの最後の天皇である。
※桓武天皇(かんむてんのう、天平9年〈737〉- 延暦25年〈806〉):第50代天皇(在位:天応元年(781) ー 延暦25年〈806〉)。諱は山部(やまのべ / やまべ)。平城京から長岡京および平安京への遷都を行った。践祚(えんそ)から日を隔てて即位した初めての天皇、桓武平氏の始祖となる。
最上稲荷(最上稲荷教総本山妙教寺)
◇岡山市高松稲荷712
◇JR「岡山駅」バス30分
◇岡山自動車道「岡山総社IC」から約5キロ
◇公式HP:http://www.inari.ne.jp/