■12月9日「京都、了徳寺大根焚き」です。■
法輪山了徳寺(ほうりんざんりょうとくじ)は、通称「大根焚寺:だいこんだきでら」と呼ばれ、毎年12月9・10日に行われる「大根焚き」の行事で有名です。
建長4年(1252)親鸞上人が法然上人の遺跡を訪ねてこの地に来て説教したところ、里人が喜んで大根を煮てもてなしました。親鸞はこれに深く感じ、庭のすすきを束ねて筆にして「帰命尽十万無碍光如来」の十文字を記して、里人に与えました。
前庭には「すすき塚」があって、親鸞聖人が筆の代わりにしたススキ筆が今も残されています。
この故事から、大根を煮て皆で分け合って食べる習わしになりました。三つの大鍋に大根と油揚げを入れ、醤油で煮込みます。約3千本の大根は、早朝より大鍋に入れられ薪で焚かれ、二日間で約2トンも焚き上げます。
了徳寺で焚かれる大根はまぼろしの「篠大根」です。「保津川下り」でもう少しで、保津峡にかかろうとする右岸一帯に広がる肥沃な堆積土で、育てられた大根です。めったに口に出来ない貴重なものです。
この大根を食べると中風のおまじないになると伝わり、多くの参拝者で賑わいます。毎年11~12月にかけて、大根焚きは京都各地で執り行われます。法輪山了徳寺、千本釈迦堂(12月8日)、三宝寺(12月3~4日頃)、別格本山覚勝院(11月22~23日)、比叡山延暦寺(11月20日頃)他、それぞれに謂れがありますが、大根の収穫時期に重なります。
どちらでも「お斎」の用意がされています。一部では数量限定で無料配布されています。大根は塩味、醤油で焚きこみ、油揚げなどでを加えて素材の風味を引き出してあります。
了徳寺
◇京都府京都市右京区鳴滝本町83
◇阪急「四条大宮」バス
◇京福電車「高雄口」「鳴滝」徒歩5分
◇JR「京都駅」バス「鳴滝本町」所要45分
◇公式HP:http://www.ryoutokuji.or.jp/