2021.11.30
12月

令和3年(2021)12月3日 秩父夜祭(ちちぶよまつり)です。

■12月3日「秩父夜祭」です。■

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「秩父夜祭:ちちぶよまつり」は、300年余の歴史のある祭で、京都祇園祭、飛騨高山祭と共に日本三大曳山祭の1つに数えられています。
 
母巣の杜(ははそのもり)に鎮座する「秩父神社」は、2千有余年の歴史を刻む秩父地方の総社です。崇神天皇10年(紀元前87年)、秩父の国造「知知夫彦命:ちちぶひこのみこと」が祖先を祭ったのが始まりと伝わり、古くから武家の信仰を集めていました。
 191124_22.jpg旧社格は国幣小社。武州六大明神の一つとされています。社殿と参道の延長には武甲山があり、もともとは武甲山を神奈備(かむなび=神霊が鎮座する山や森のこと)として拝する聖地でした。
秩父夜祭は秩父神社の例大祭で、毎年12月1~6日に行なわれることから「六日市」と呼ばれました。武甲山(旧:武甲山蔵王権現社・現:武甲山御嶽神社)の「男神」(蛇もしくは竜神、神仏習合後は蔵王権現)と秩父神社母巣の森の「女神」(神仏習合後は妙見菩薩)「1年に1度の逢瀬」を楽しむ祭りといわれています。寛文年間頃から付祭として屋台、笠鉾が曳かれるようになりました。
現在の社殿は、徳川家康が社領五百十七石を寄進し、天正20年(1592)に再建したもの。権現造りの社殿は極彩色の彫刻に彩られ、本殿の彫刻「つなぎの龍」(鬼門を守護する青龍)は有名です。
 豪華な彫刻が施され提灯で飾られた笠鉾は「動く陽明門」とも言われます。勇壮な屋台囃子を打ち鳴らし、曳き回される笠鉾2基と屋台4基の山車は、国重要有形民俗文化財指定。屋台両袖に舞台を特設しての地芝居(秩父歌舞伎)や、地元の花柳一門と杵屋一門によるひき踊りは、秩父神社神楽と共に「秩父祭りの屋台行事と神楽」として、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

181127_11.gif▼中近笠鉾:なかちかさかほこ
安永4年(1775)造。のちに屋型などが付設され、床周囲の勾欄には丸彫金箔押の龍が巻きつき、立隠し板には二十四孝の孟宗、唐婦人、郭巨、董水、江華、子、舜、揚香の彫刻が施されています。天井には雲龍墨絵の襖が張られ、屋根は四方に軒唐破風を配して、入母屋造りの両妻に千鳥破風をつけた八棟。総体黒漆で随所に金具が打たれ、鬼板、懸魚、妻飾りなどの極彩色の彫刻を飾った宮殿風の構えとなっています。

▼下郷笠鉾:したごうかさほこ
安永3年(1774)には笠鉾の曳物でした。表の間約3m、妻3.9mの笠鉾としては大型で、上屋根の白木造りが特徴。
正面大東破風の鬼板彫刻は、仙人が印を結び龍を寄せるという迫力のある彫技が見られ、内室立隠しの彫刻も鯉に乗る泰高、雲海から龍に乗り波上に降りようとする馬師王膝下に、鶴を見る黄鶴仙人などの中国仙人を刻んだ特色あるものとなっています。

181127_12.gif秩父神社
◇埼玉県秩父市番場町1-3
◇秩父鉄道「秩父駅」
◇西武「西武秩父駅」徒歩15分
◇公式HP:
http://www.chichibu-jinja.or.jp/

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
祇園祭の色彩の強い山車の笠鉾と屋台の彫刻の荘厳さは一見の価値があります。
12月になっての夜祭です。山車に思わず見とれてお風邪などお召しにならないようお体ご自愛専一の程

筆者敬白

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