2025.12.15
12月

令和7年(2025)12月22日「ゆず湯」です。

■12月22日「ゆず湯」です。■

かつて「冬至(とうじ)」の日に湯を沸かし、「沐浴(もくよく)」(髪を洗い、からだを洗うこと)をする風習がありました。これが「ゆず湯」の始まりといわれています。

現在でも、この日に「冬至粥(とうじがゆ)」「冬至南瓜(とうじかぼちゃ)」「冬至蒟蒻(とうじこんにゃく)」を食べ、「ゆず湯」に入る習慣が受け継がれています。南瓜(かぼちゃ)の色素「カロチン」は、体内でビタミンAの働きをし、ゆずなど柑橘類の皮に含まれている「芳香油(ほうこうゆ)」の作用は、肌荒れを防止し、湯冷めを防ぎます。「食物繊維」が豊富な蒟蒻(こんにゃく)は体内の老廃物(砂)の排出を促すことから、蒟蒻を食べることを「砂おろし」「砂払い(すなばらい)」ともいいます。

「入浴」は、血液の循環を良くし、新陳代謝を促し、疲労回復に大変効果があります。ゆずの皮の芳香油が湯冷めを防ぐことは科学的に証明されています。入浴は健康のもと。ゆず湯は、冬の美容と健康を考えた生活の知恵です。

冬至の「ゆず湯」や端午の節句の「菖蒲湯(しょうぶゆ)」などがよく知られていますが、ほかにも一年を通して「季節湯」があります。

1月(正月):松湯
2月:大根湯
3月:よもぎ湯
4月:さくら湯
5月:菖蒲湯
6月:どくだみ湯
7月:もも湯
8月:はっか湯
9月:菊湯
10月:生姜湯
11月:みかん湯
12月:ゆず湯

江戸時代、町じゅうに増えた「銭湯(湯屋)」が客寄せのためにいろいろな「薬湯(やくとう)」風呂を競って企画したことで、四季折々の季節湯の習慣が人びとのあいだに根付いていったといわれています。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

秋から冬にかけての「生姜湯」「みかん湯」「大根湯」は天然成分由来の薬効も確認されていて、冷えた体を温めてくれます。薬効だけでなく、香りを楽しんでリフレッシュする効果もあります。
季節の植物を感じる沐浴は、風呂好きの日本人の風流なのかもしれません。いつの時代も、リラックスできる温浴施設や湯治文化は日本独特のものといえます。
季節の変わり目です。風呂上がりの湯冷めで風邪などお召しにならないように、お体ご自愛専一の程。
筆者敬白

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