■12月31日「出羽三山 松例祭」です。■
「出羽三山(でわさんざん)」とは、出羽国(でわのくに)羽黒山・月山・湯殿山の3つの山の総称です。
羽黒山(はぐろさん)……標高414m、現世の幸せを祈る山(現在)
月山(がっさん)……標高1,984m、死後の安楽と往生を祈る山(過去)
湯殿山(ゆどのさん)……標高1,504m、生まれかわりを祈る山(未来)
今から4千年前、都から第32代「崇峻天皇(すしゅんてんのう)」の皇子、「蜂子皇子(はちこのみこ)」は、三本足の霊鳥に導かれて出羽国に入りました。難行苦行の末に羽黒権現の御示現を拝し、羽黒山頂に羽黒山寂光寺を建立。次いで、月山、湯殿山を開き、両神を羽黒山に勧進し、羽黒三所大権現と称しました。
月山頂上の「月山神社」、羽黒山頂の「出羽神社(いではじんじゃ)」、湯殿山の中腹に鎮座する「湯殿山神社」を合わせて「出羽三山神社(でわさんざんじんじゃ)」と呼ばれます。
出羽三山神社の御祭神は、月読命・伊氏波神・稲倉魂命・大己貴命・少彦名命・大山祇命。摂社:五十猛神社・大年神社・厳島神社・蜂子神社・天有社。さらに、広大な境内には百一末社と呼ばれる神々の社に八百万の神々が祀られています。
皇子の修行の道は、後に「羽黒派古修験道(はぐろはこしゅげんどう)」として発展し、出羽三山信仰の根本になっています。太古より今なお神々の息吹に深く包まれる三山は、山岳信仰・修験の霊場として名高く、人びとの篤い信仰を集めています。
加賀白山を開いた「泰澄大師」や、修験道の祖と云われる「役の行者」、また真言宗開祖「弘法大師」、天台宗開祖「伝教大師」とその弟子「慈覚大師」などの高僧も来山して修行したと伝わります。
◆松例祭(しょうれいさい)
「松例祭」は、2つの大松明を引き出して燃やす神事です。大晦日から、明くる元旦にかけて夜を徹して行われるため、別名「歳夜祭(としやまつり)」とも。「松聖(まつひじり)」と呼ばれる2人の長老山伏が百日間の勤行の後、12月31日結願、互いの修行の成果を競い合います。新年の豊作豊漁、除災招福を祈願するもので、新年には火の打替え神事が行なわれます。新しい火を迎えて祭りは終了します。
出羽三山神社
◇山形県東田川郡羽黒町大字手向字手向7
◇JR羽越本線「鶴岡駅」バス
◇公式サイト:http://www.dewasanzan.jp