2024.12.08
12月
記念日・~の日・~週間

令和6年(2024)12月15日「年賀郵便特別扱い開始の日」です。

■12月15日「年賀郵便特別扱い開始の日」です。■

全国の郵便局では、12月15日から年賀状の特別扱いを開始しています。12月25日までに投函された分についての年賀状は、翌年1月1日(元旦)に必ず配達されるという特別な制度です。

年賀状とは新年に送られる郵便ハガキやカードを用いた挨拶状のことです。日本では、古く奈良時代より新年の年始回りという年始の挨拶をする行事がありました。平安時代には貴族や公家にも風習が広まり、遠方などへの年始回りに代わるものとして書状を送り合うようになりました。

江戸時代になると新年の挨拶は社会全般に広まり、飛脚が新年挨拶書状を運ぶようになってきました。明治維新後の明治4年(1871)、郵便制度が確立しましたが、年賀状は書状で送る習慣が定着していました。

明治6年(1873)に「郵便はがき」を発行するようになると、年始の挨拶も葉書の年賀状を送る習慣が急速に広まったのです。明治20年頃には年賀状を出すことが年末年始の行事のひとつとして国民の間に定着しました。

その結果、年末年始にかけて年賀状が集中し、郵便取扱量が何十倍にも膨れ上がりました。通常郵便に加えて膨大な年賀状のために郵便物全体の処理が遅れ、年賀状以外の郵便物にも影響し、通常より配達が遅れることがしばしば発生するようになってしまいました。

これを解決する対策として明治32年(1899)12月、指定された郵便局での年賀郵便の特別取扱いが始まり、明治38年(1905)全国の郵便局で実施されるようになりました。

なお年賀状は本来、元日に書いて投函していましたが、この特別取扱いをきっかけに年末までに投函し元日に配達するようになったのです。

明治40年(1907)から葉書の表に「年賀」であることを表記すれば枚数にかかわらず郵便ポストに投函できるようになりました。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

近年はインターネットが整備されパソコンやスマートフォンなどが普及したことなどにより、若い人をはじめ壮年や初老の方も年賀状を出さずメールやSNSで新年の挨拶をすませる人が多くなってきました。このままいけば郵便で年賀状を送る新年の習慣はこれからも廃れていく一方のように思われます。「お年玉付き年賀はがき」の行く末を観察していきたいものです。
逆に考えると、素敵なカードを用意してお年玉付きの年賀切手を貼って大切な相手に送ってみるのも、ものめずらしく喜ばれるかもしれません。

皆様お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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