■8月17日「鶴岡、荘内大祭」です。■
「荘内神社:しょうないじんじゃ」は、庄内藩(正式には鶴岡藩)藩主の居城「鶴ケ岡城」の本丸址に所在します。庄内藩主「酒井家」初代忠次公、二代家次公、三代忠勝公、九代忠徳公の四人の先祖を祭神として祀ります。
元和8年(1623)酒井家三代・忠勝公が、幕命により信州松代から荘内に移封されました。戦国時代、草刈場となって疲弊していた土地を、歴代藩主が250年にわたって善政を施いたことで、領民も心から主君を敬い慕っていました。
長く平和が続いた幕藩体制が終焉した後でも、旧藩主を敬い慕う民衆の気持ちは強く、庄内一円の人々の総意によって、明治10年(1877)藩主縁りの中心地である鶴ヶ岡城本丸址に「出羽之国庄内の産土神」として荘内神社が創建されました。
その後、大正13年(1924)荘内藩中興の祖、9代忠徳公が従三位を贈位されたことを記念して、新たに祀られました。それ以来、出羽荘内の産土神「神社はん」と慕われています。
荘内神社の祭り「荘内大祭」は、創建の明治10年、旧藩主を慕う市民の手でかつての大名行列が再現されたのが起源です。江戸時代の装束に見を包み、天下人・秀吉より賜った「金びょうたん槍」を先頭に、奴振り、鎧武者の甲冑列など、約400名からなる「荘内藩伝承大名行列」が、城下町・鶴岡に歴史絵巻を繰り広げます。
また、酒井公が手厚く保護したという「黒川能」が奉納され、鶴ヶ岡城の外堀であった「内川」では灯籠流しが行なわれます。
開催日◇8月14~15日。
荘内神社
◇山形県鶴岡市馬場町4番1号 鶴ヶ岡城址
◇JR羽越本線「鶴岡駅」バス約5分
◇山形道「鶴岡IC」から10分
◇公式Web:http://jinjahan.com/
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
疲弊した土地を250年にわたる善政で、肥沃な土地に甦らせた「酒井家」を敬う人々によって、建立された「荘内神社」です。明治維新から140年を経ても旧藩主を慕う市民によって祭礼が行われます。変わって東日本大震災で3年が経過しました。100年後に震災の復興に感謝して、当時の菅首相や野田総理を慕う人が現れるでしょうか。
猛暑酷暑は過ぎ去って、お出かけには良い季節になってきました。
是非一度、鶴岡の荘内祭の荘内藩伝承大名行列をご覧下さい。
時代絵巻は一見の価値があります。
筆者敬白