2025.08.01
8月

令和7年(2025)8月8日 御嶽教「御嶽山雲上大御神火祭(おんたけさんうんじょうだいごじんかさい)」です。

■8月8日 御嶽教「御嶽山雲上大御神火祭(おんたけさんうんじょうだいごじんかさい)」です。■

「木曽の御嶽さん」として有名な「御嶽山(おんたけさん)」は重要な「霊山(れいざん、りょうぜん)」のひとつで、信仰登山の歴史は古く、大宝2年(702)「役小角(えんのおづぬ)」の開山に始まるといわれています。一般では、天明5年(1785)修験道の行者「覚明(かくめい)」が黒沢口登山道を、寛政4年(1792)に行者「普寛(ふかん)」が王滝口登山道を開闢(かいびゃく)し、一般に登拝するようになりました。

「御嶽教(おんたけきょう)」は、「御嶽山」を信仰根本道場とする「教派神道(きょうはしんとう)」で、「神道十三派(しんとうじゅうさんぱ)」のひとつ。創始者は「下山応助(しもやまおうすけ)」とされています。教団本部「御嶽山大和本宮(おんたけさんやまとほんぐう)」(御嶽教大本庁)を奈良県奈良市に置きます。信者数は約2万5千人。長野県木曽町に教団本部を置く「木曽御嶽本教(きそおんたけほんきょう)」としばしば混同されますが、別の団体とのことです。

「国常立尊(くにのとこたちのみこと)」
「大己貴命(おおなむちのみこと)」
「少彦名命(すくなひこなのみこと)」

の3柱を「御嶽大神(おんたけおおかみ)」として祀り、御嶽山開闢の(れいじん)を崇敬神「開山霊神」として祀ります。また、「天神地祇八百万神(てんじんちぎ・やおよろずのかみ)」を配祀神としています。

「御嶽大神」を崇拝する信仰者が集団結合し、明治15年(1882)に立教独立。教祖を持たず、選挙によって管長を選出する「山岳信仰」です。「御嶽教経典」「御嶽教神拝詞集」「御嶽教信仰規範」を経典とします。

「御嶽山木曽本宮」は、「修験道」の道場であり、御岳登拝の祈願所です。拝峰では、「白装束」に身を包み、「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」を身に修めて大地の恵みの母なる体内をめぐり、生まれ変わりを行とします。修験道で唱えられている「六根清浄」は法華経に由来し、五感と意識の根幹(第六感)を合わせた6つの内部感覚器を「六根(ろっこん)」とします。

◆御嶽山雲上御神火祭・御嶽山大御神火祭

「御神火祭(ごじんかさい)」は、御嶽山中で行なわれる日本屈指の火祭りです。昭和29年(1954)、第9代管長「渡辺照吉」が、「覚明・普寛」の2霊神の霊告を受け、世界平和、国運隆盛、攘禍招福、教内繁栄などを祈願するため始めました。毎年8月8日、2ヶ所の祭場で行なわれます。

8日午前1時、「田の原祭場」(御嶽山王滝口7合目)で「雲上大御神火祭(うんじょうだいごじんかさい)」が、午後8時、「木曽本宮祭場」「大御神火祭(だいごじんかさい)」が開祭されます。田の原の「浄火」が、麓の木曽本宮まで運ばれて「護摩木(ごまぎ)」を焚き上げます。

木曽本宮会場に信者が集い、松明行列ののち、全国より申し込みのあった「祈願斎木(護摩木)」数十万本を3つの大きな輪に積み重ねて焚き上げる、猛火の大祈祷が執り行なわれます。

御嶽山大和本宮
◇奈良県奈良市大渕町3775番地
◇御嶽山木曽本宮:長野県木曽郡木曽町福島和合4412-1
◇公式サイト:https://www.ontakekyo.or.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

毎年、8月の風物詩として「木曽の火祭り」が報じられます。ほら貝を吹きながら行者が先頭に立ち、火の残った炭の中を、素足で歩き清めるといった姿が放映され、御嶽教の荒行が紹介されます。火祭りは旧盆の頃でお盆の迎え火と重なります。
御嶽山は朝夕が冷え込みます。お出かけの際には一枚余分にお持ち下さい。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

この記事をシェアする
   

関連記事

人気のタグ

  • その他人気タグ: