■8月9~11日「新潟まつり」です。■
「新潟まつり」は、新潟の夏を彩る大規模なお祭りです。新潟市の中心部を舞台に、毎年8月上旬の金、土、日曜日に開催されます。昭和30年(1955)住吉祭・商工祭・川開き・開港記念祭という歴史ある4つの祭りを統合して生まれた、新潟を代表する夏の一大イベントです。
「新潟まつり」の初日は「万代太鼓(ばんだいだいこ)演奏」で始まります。「万代太鼓」は、新潟市に古くから伝わる創作和太鼓の郷土芸能です。軽やかな響きの「樽砧(たるきぬた)」と民謡を奏でる篠笛、軽妙なバチさばきと勇壮な太鼓の響きで、祭りの開幕を盛り上げます。「樽砧」は、新潟市の旧市街に伝わる木樽を用いた伴奏法で、民謡の伴奏や花街での遊戯などで演奏されていました。現在は9月に開催される「にいがた総おどり」の伴奏に使われています。
初日の夜は「大民謡流し」です。新潟のシンボル「萬代橋(ばんだいばし)」(信濃川にかかる橋、国指定重要文化財)をメインに、「柾谷小路(まさやこうじ)」などの繁華街で、それぞれ揃いの浴衣に身を包んだ踊り手が、「新潟甚句(にいがたじんく)」や「佐渡おけさ」を踊ります。飛び入り参加も歓迎。
2日目は、「住吉行列」と「水上みこし渡御」が行なわれます。「住吉行列」は、海上安全の神社「湊元神社(つもとじんじゃ)」の祭礼が起源といわれます。古式ゆかしい衣装を身にまとい、行列で以内を練り歩きながら、見る人に祭りの伝統を伝えます。「住吉行列」は3日目にも行なわれます。
行列に続いて、「万代太鼓」や「古町芸妓(ふるまちげいぎ)」なども連なります。「古町」は、「信濃川(しなのがわ)」と信濃川の分水路「関屋分水路(せきやぶんすいろ)」、そして日本海に囲まれた「新潟島(にいがたじま)」の中央部に位置する歴史の古い地域です。古町の花街「古町花街(ふるまちかがい)」には、空襲を免れた明治から昭和初期の建築物が多く残っています。
「水上みこし渡御」では、満艦飾(まんかんしょく)に彩られた15隻の船舶による水上パレードに守られ、神輿を乗せた御座船(ござぶね)が信濃川の右岸から左岸へ渡ります。まさに「水の都にいがた」を象徴する行事です。
2日目は「市民みこし」で祭りは最高潮を迎えます。古式ゆかしい手古舞(てこまい)行列を先頭に、木遣り(きやり)、神輿6基により「古町通(ふるまちどおり)」を練り歩き、薄暮れのなか、新潟の総鎮守「白山神社(はくさんじんじゃ)」へ宮入りします。
3日目の最終日は「住吉行列」に続いて、祭りを締めくくる「花火大会」が開かれます。「信濃川」を舞台に、音楽花火や迫力満点のワイドスターマインなどが壮大かつ優美な景観をつくり出し、見物客を楽しませます。
◆新潟の総鎮守「白山神社(はくさんじんじゃ)」
「白山神社」の創建は古く、新潟の町の起点となる神社で、「新潟湊(にいがたみなと)」の守護神などとして崇められてきました。長岡藩時代の「新潟湊」は、江戸・大坂・蝦夷地など全国の湊を結ぶ拠点港であり、廻米船(かいまいせん)や北前船(きたまえぶね)が寄港し、全国各地の特産物が集散する、町人たちの港町として繁栄しました。
御祭神は「菊理媛大神(くくりひめのおおかみ:白山大神)」です。別名「白山比咩(しらやまひめ)大神」といい、加賀の霊峰「白山(はくさん)」頂上より勧請されました。明治6年(1873)日本で初めての公園「白山公園」造成のため、旧境内に点々と建立されていた摂社、末社をすべて本殿に合祀したので、多くの御祭神を祀っています。
「住吉行列」は、かつての「湊元神社(つもとじんじゃ)」の祭礼「湊祭」から発展したとされています。延享5年(1748)、大洪水からの港勢回復を願って、白山神社境内に「住吉神社」が建立され、のちに「湊元神社」の住吉神も合祀されました。「住吉神社」には、湊町新潟の商売繁盛・海上守護を見守る住吉大神と神輿が祀られています。
新潟まつり
◇開催場所:新潟市中央区古町通、萬代橋ほか
◇JR「新潟」駅 万代口よりバスで約5~10分
◇北陸自動車道「新潟西IC」磐越自動車道「新潟中央IC」より約15分
◇公式サイト(新潟まつり実行委員会):https://niigata-matsuri.com
白山神社
◇新潟県新潟市中央区一番堀通町1-1
◇公式サイト:https://www.niigatahakusanjinja.or.jp