■8月3~5日 滋賀、多賀大社「万灯祭(まんとうさい)」です。■
滋賀県犬上郡多賀町(いぬがみぐんたがちょう)に鎮座する「多賀大社(たがたいしゃ)」は、式内社で、旧社格は官幣大社、古くから「お多賀さん」の名で親しまれる滋賀県第一の大社です。
ご祭神に
・伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)
・伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)
を祀ります。『古事記』に「伊邪那岐大神は淡海(あはうみ:「近江」のこと)の多賀に坐す」とあります。多賀町は、古今を通じイザナギ・イザナミの2大神を祀る多賀大社を中核として発展してきました。
奈良・平安時代には公家の信仰篤く、鎌倉から江戸時代にかけては武家からの信仰も集めました。明応3年(1494)「天台宗の不動院」が建立され、その後、観音院・般若院・成就院の坊人たちの活発な布教により、多賀信仰が全国各地に広まりました。
大正3年(1914)「皇祖天照大御神(あまてらすおおみかみ)」の親神であること、崇敬が全国に及ぶことから官幣大社に列格されています。
「お伊勢参らばお多賀へ参れ お伊勢お多賀の子でござる」
「お伊勢七度熊野へ三度 お多賀さまへは月参り」
との俗謡も。「お多賀の子」とは、伊勢神宮の祭神「天照大御神」のこと。天照大御神が、伊邪那岐命、伊邪那美命両神の御子であることを指しています。
「莚命長寿の神」「縁結びの神」として信仰を集めるお多賀さん。境内には寿命石の史跡があり、延命利益のあるとされる「お多賀杓子」も販売されています。
◆万灯祭(まんとうさい)
8月3~5日、湖国夏の風物詩「万灯祭(まんとうさい)」が行なわれます。昭和30年(1955)から続く「祖先のみたま祭り」で、全国から12,000灯余りの提灯が寄せられます。
夕暮れどき、伊邪那岐大神が降り立ったとされる聖地「杉坂山」で「御神火祭」が執り行なわれ、浄火が古式により切り出されます。本火が本社に運び込まれ、境内に文字通り「万余の提灯」が灯されます。
伊邪那美大神は、黄泉の国に移って幽世の大神となり、人びとの祖先の御霊を護ってくれるといわれます。「万灯祭」は、伊邪那美大神への「感謝の献灯」を捧げるお祭りです。
期間中、コンサートや「多賀音頭」の総おどり、「近江猿楽(おうみさるがく)」といった催しが開かれます。
多賀大社
◇滋賀県犬上郡多賀町多賀604番地
◇名神「彦根IC」から10分
◇名神「湖東三山スマートIC」から15分
◇JR「彦根駅」乗り換え 近江鉄道「多賀大社前」駅下車 徒歩10分
◇公式サイト:https://www.tagataisya.or.jp
◆「万灯祭」:https://www.tagataisya.or.jp/event/mantou/
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
万灯祭はお盆の迎え火が変化したものとの説があります。旧暦でのお盆、八月盆の近い時期です。旧暦では12日が迎え火でお盆に入ります。「一燈照隅 萬燈照國」お盆の時期に叫ばれます。先祖に恥じない生き方をしたいものです。
この時期暴飲暴食で体調を崩すやすいです。
皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白