■8月18日「伝教大師誕生会」です。■
平安時代の僧「最澄(さいちょう)」は、神護景雲(じんごけいうん)元年(767)8月18日、近江国滋賀郡古市郷(現在の大津市)に生まれました。
日本の天台宗を開いた人物で、俗名は三津首広野(みつのおびとひろの)。三津首(みつのおびと)氏は、古代中国の後漢皇帝の末裔と称する渡来系氏族です。
12歳で近江国分寺に入り、出家して行表(ぎょうひょう)の弟子となり、14歳で得度。名を「最澄」と改めました。厳しい修行と勉強に打ち込み、やがて奈良の都に行き、さらに勉学を積みました。
延暦4年(785)奈良東大寺で具足戒を受戒の後、故郷に戻って比叡山に籠って一人修行を続けます。すべての人々が救われることを願い、一乗止観院を建てて自ら刻んだ薬師如来を安置し、仏の教えが永遠に伝えられるよう願って灯明を供えました。
天台宗は大乗仏教の宗派のひとつで、法華経を根本経典としています。伝教大師最澄は延暦24年(805)唐に渡り天台山に登ってその教えを受けました。帰国後、比叡山延暦寺に戻り、この教えを伝えました。弘仁13年(822)比叡山中道院にて没。貞観8年(866)伝教大師の諡号が贈られました。
比叡山「延暦寺(えんりゃくじ)」は、天台宗の総本山で、標高848mの比叡山全域を境内とする寺院です。平安から鎌倉時代にかけて、融通念仏の開祖「良忍」、浄土宗の開祖「法然」、浄土真宗の開祖「親鸞」、臨済宗の開祖「栄西」、曹洞宗の開祖「道元」、日蓮宗の開祖「日蓮」などの名僧が修行していることから「日本仏教の母山」とも称されています。
延暦寺
◇滋賀県大津市坂本本町4220
◇公式サイト:https://www.hieizan.or.jp
最澄の誕生地とされる「生源寺」では、毎年8月18日に盛大な誕生会が行われます。生源寺は、最澄の父・三津首百枝(みつのおびとももえ)の邸宅跡に建てられています。本尊は慈覚大師作と伝わる観音菩薩。境内には大師の産湯と伝わる井戸があります。
生源寺
◇滋賀県大津市坂本6-1-17
◇京阪電鉄・石山坂本線「坂本比叡山口駅」徒歩1分
◇JR湖西線「比叡山坂本駅」徒歩20分
◇湖西道路下「阪本IC」から10分
◆「生源寺」(滋賀・びわ湖 観光情報):https://www.biwako-visitors.jp/spot/detail/433/