■8月8日「御嶽山雲上大御神火祭」です。■
「御嶽教(おんたけきょう)」は、御嶽山(おんたけさん)を信仰根本道場とする教派神道で、神道十三派の一つ。創始者は下山応助。奈良県奈良市に教団本部(御嶽山大和本宮)を置きます。信者数は約3万人。長野県木曽町に教団本部のある「木曽御嶽本教」としばしば混同されますが、別の団体とのことです。
「木曽の御嶽さん」で有名な御嶽山は重要な霊山のひとつで、信仰登山の歴史は古く大宝2年(702)役小角の開山に始まるといわれています。一般では、天明5年(1785)に「覚明行者」が黒沢口登山道を、寛政4年(1792)に「普寛行者」が王滝口登山道を開闢し登山するようになりました。
「御嶽大神」を崇拝する信仰者が集団結合し、明治15年(1882)に立教独立。「御嶽教経典」「御嶽教神拝詞集」「御嶽教信仰規範」を経典としています。
拝峰では、白装束に身を包み、六根清浄を身に修めて大地の恵みの母なる体内をめぐり、生まれ変わりを行とします。己を振り返り、再生を行の根本とする道場でもあります。
祭神に「国常立尊(くにのそこたちのみこと)」「大己貴命(おおなむちのみこと)」「少彦名命(すくなひこなのみこと)」の三柱を「御嶽大神」として祀り、御嶽山開闢の「覚明」「普寛」の二霊神を崇敬神「開山霊神」として祀ります。また、「天神地祇八百万神(てんじんちぎ・やおよろずのかみ)」を配祀神としています。
「御嶽山雲上大御神火祭」は、木曽御嶽山の山中で毎年8月7日の子の刻から8日の丑満つ時まで行なわれます。全国から御岳教信者が集い、松明行列ののち、数十万本の祈願斎木(護摩木)を3つの大きな輪に積み重ねて焚き上げる、猛火の大祈祷が執り行われます。
開催地
8日午前1時 御嶽山田の原祭場(御嶽山王滝口7合目)
8日午後8時 御嶽山木曽本宮祭場(長野県木曽郡木曽町福島和合4412-1)
御嶽山大和本宮
◇奈良県奈良市大渕町3775番地
◇公式サイト:https://www.ontakekyo.or.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
毎年、8月の風物詩として「木曽の火祭り」が報じられます。
ほら貝を吹きながら行者が先頭に立ち、火の残った炭の中を、素足で歩き清めるといった姿が放映され、御嶽教の荒行が紹介されます。火祭りは旧盆の頃でお盆の迎え火と重なります。
御嶽山は朝夕が冷え込みます。お出かけの際には一枚余分にお持ち下さい。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白