■4月10日「京都 今宮神社 やすらい祭」■
正暦5年(994)創建と伝わる「今宮神社」の社格は旧府社で、主祭神に「大己貴命:おおなむちのみこと」、「事代主命:ことしろぬしのみこと」、「奇稲田姫命:くしいなだひめのみこと」の3柱の神を祀ります。疫神社には「素盞嗚尊:すさのおのみこと」を祀り、「紫野神社」ともいいます。
平安京で疫病が流行り、これを鎮めるため御霊会が行われ、船岡山に創建された疫病鎮護の神社が起こりと伝わります。明治29年に本社殿を焼失しましたが、6年後の35年に再建し、西陣をはじめ多くの人々の崇敬を集めています。
「やすらい祭り」は、御霊会を現代に伝える行事として毎年4月の第2日曜日に行われます。「太秦の牛祭」・「鞍馬の火祭」とともに「京都三奇祭」の一つに数えられています。やすらいは「夜須礼祭」、「安良居祭」とも記され、花とともに飛び散ろうとする疫神を鎮めるために行われた「鎮花祭」と、御霊信仰に基づく「御霊会」とが結びついて生まれた花の祭りです。
「やすらいの花や」と囃しながら町内を練り歩き、今宮神社に参ります。行列が掲げる風流傘と呼ばれる「花傘の中に入ると厄を逃れる」との言い伝えから、皆競って花傘の中に入るのが習わしとなっています。
神社境内には、手のひらで軽く三度叩いて持ち上げると重くなり、次に願いを込めて三度撫でて持ち上げ、軽くなっていれば願いが叶うという「阿呆賢(あほけん)さん」と呼ばれる「石」があります。
門前に並ぶ和菓子屋では、名物「あぶり餅」が売られます。あぶり餅とは、きな粉をまぶした小さなお餅を竹串に刺して炭火であぶった後、白味噌の甘だれをかけた餅菓子です。疫病が蔓延した頃には、あぶり餅を人々に振舞ったとも。
あぶり餅に使われる竹串に、今宮神社に奉納された斎串(いぐし)を用い、病気平癒や厄除けの御利益があると伝えられています。
今宮神社
◇京都府京都市北区紫野今宮町21
◇公式Web:http://imamiyajinja.org/top/index.html
◇参考Web:http://www.kyoto-jinjacho.or.jp/shrine/03/019/index.html
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
今宮神社Webから「半年の罪穢れを人形に依せて流す行事が行なわれてきました。厄疫を鎮めるやすらい祭が行なわれ、鎮疫に現れる鬼の装束を模した人形をやすらい人形と言い、社頭にて随時授与しております」
今宮神社は古来から疫病や息災除けを祈願し、特にやすらい祭は健康祈願の祭礼で、京都三大奇祭です。お出かけの際には風邪などお召しにならないようにお体ご自愛専一の程
筆者敬白