■4月22日 滋賀、多賀大社「古例大祭(多賀まつり)」です。■
滋賀県犬上郡多賀町(いぬがみぐんたがちょう)に鎮座する「多賀大社(たがたいしゃ)」は、式内社で、旧社格は官幣大社、古くから「お多賀さん」の名で親しまれる滋賀県第一の大社です。
ご祭神に
・伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)
・伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)
を祀ります。『古事記』に「伊邪那岐大神は淡海(あはうみ:「近江」のこと)の多賀に坐す」とあります。多賀町は、古今を通じイザナギ・イザナミの2大神を祀る多賀大社を中核として発展してきました。
奈良・平安時代には公家の信仰篤く、鎌倉から江戸時代にかけては武家からの信仰も集めました。明応3年(1494)「天台宗の不動院」が建立され、その後、観音院・般若院・成就院の坊人たちの活発な布教により、多賀信仰が全国各地に広まりました。
大正3年(1914)「皇祖天照大御神(あまてらすおおみかみ)」の親神であること、崇敬が全国に及ぶことから官幣大社に列格されています。
「お伊勢参らばお多賀へ参れ お伊勢お多賀の子でござる」
「お伊勢七度熊野へ三度 お多賀さまへは月参り」
との俗謡も。「お多賀の子」とは、伊勢神宮の祭神「天照大御神」のこと。天照大御神が、伊邪那岐命、伊邪那美命両神の御子であることを指しています。
「莚命長寿の神」「縁結びの神」として信仰を集めるお多賀さん。境内には寿命石の史跡があり、延命利益のあるとされる「お多賀杓子」も販売されています。
◆古例大祭(多賀まつり)
毎年4月22日、多賀大社年間の最重儀「古例大祭」が行なわれます。神輿や行列、騎馬が繰り出す渡神事です。「多賀まつり」あるいは騎馬多数の供奉が行なわれることから「馬まつり」とも呼ばれています。
前儀は早く1月3日から始まり、近郷の有力者のなかから祭りの主役である「馬頭人(ばとうにん)」が選ばれ、馬上から祭りの指揮をします。当日、早朝から大祭を斎行、午前10時には列次を整えてお渡りが出発します。行列は、馬頭人、御使殿を中心に、氏子や崇敬者の騎馬供奉40数頭、御神輿や御鳳輦の供奉者など実に500名にもおよびます。
多賀大社
◇滋賀県犬上郡多賀町多賀604番地
◇名神「彦根IC」から10分
◇名神「湖東三山スマートIC」から15分
◇JR「彦根駅」乗り換え 近江鉄道「多賀大社前」駅下車 徒歩10分
◇公式サイト:https://www.tagataisya.or.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
「多賀まつり」はさながら歴史絵巻の様相です。祭りの見物客も次々繰り出す行列を見ているだけで壮観さを感じます。
「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」
いちどは出向いてみましょう。
多賀まつりが終わると、そろそろゴールデンウイークに入ります。
筆者敬白