◆二十四節気◆令和7年(2025)4月20日「穀雨(こくう)」です。◆
令和7年(2025)4月20日4時56分「穀雨(こくう)」です。旧暦3月、辰の月の中気で、新暦4月20日頃。天文学的には太陽が黄経30度の点を通過するときをいいます。
「穀雨」とは「百穀を潤す春の雨」のことです。また、穀物の成長を助ける雨のことで、「暦便覧」には「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記されています。この頃は春雨のけむるがごとく降る日が多くなり、田畑を潤して穀物などの種子の生長を助けます。種まきの好機です。
苗床にうす日さしつつ穀雨かなーー西山泊雲
春は、移動性の高気圧と低気圧が日本列島の上を交互に通り過ぎていくため、晴れたり雨が降ったりと天気が変わりやすく、時おり突風や雷雨も起こります。「春雷(しゅんらい)」は春の季語にもなっています。
下町は雨になりけり春の雷(はるのらい)ーー正岡子規
雨が長引けばそれは「菜種梅雨(なたねづゆ)」です。菜の花の咲く頃の長雨のことで、「春霖(しゅんりん)」ともいいます。
穀雨の終わり頃、立春から数えて88日目、唱歌『茶摘(ちゃつみ)』にも歌われる「八十八夜(はちじゅうはちや)」です。「夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る」 暦の上で春節最後の二十四節気「穀雨」です。来月の「立夏」からいよいよ夏の到来です。
◆◆七十二候◆◆
◆初候「葭始生」(よし はじめて しょうず)葦(あし)が芽を吹き始める。
◇水辺に葦〔※〕が芽を吹き出し始める時節。
◆次候「霜止出苗」(しも やんで なえ いず)霜が終わり稲の苗が生長する。
◇ようやく霜も終わりの頃となり、苗代では稲の苗が生長する時節。
◆末候「牡丹華」(ぼたん はな さく)牡丹の花が咲く。
◇牡丹が大きな花を咲かせる時節。華く(はなさく)=花が咲く。
※葦(あし):ヨシまたはアシ(葦、芦、蘆、葭)は、温帯から熱帯にかけての湿地帯に分布。「ヨシ」という名は、「アシ」が「悪し」に通じるのを忌んで、逆の意味の「良し」と言い替えたのが定着したもの。関東では「アシ」、関西では「ヨシ」が一般的。
◆◆穀雨の頃の花◆◆
ボタン(牡丹) 学名 Paeonia suffruticosa ボタン科ボタン属の落葉小低木。または、ボタンの総称。
原産地は中国西北部。薬用として利用されていたが、牡丹の花が「花の王」として愛好されるようになった。当時は「木芍薬」と呼ばれていた。公的に制定した記録は見られないが、清国では1929年までは中国の国花であったとされる。
春牡丹:4~5月に開花する一般的な品種。
寒牡丹:春と秋に花をつける二季咲きの変種。通常は、春にできる蕾は摘み取り、秋にできる蕾のみを残し10月下旬~1月に開花。
冬牡丹:春牡丹と同じ品種を1~2月に開花するよう、特に手間をかけて調整したもの。
根の樹皮部分は「牡丹皮(ぼたんぴ)」として大黄牡丹皮湯、六味地黄丸、八味丸など漢方薬の原料になる。薬効成分ペオノールが消炎・止血・鎮痛などに効く。
「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」という美女の形容として使われる言葉がある。
花言葉は「王者の風格」
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
穀雨の時期、つい先日までは花見シーズンで、夜桜見物には厚手の上着が必要でした。暖かくて、出かけるにはいい陽気になってきましたが、風の強い日は肌寒さを感じます。どこそこで雷が落ちたという報道も気になります。
朝晩の気温差でお風邪などお召しにならないようにお体ご自愛専一の程
筆者敬白