2025.04.03
4月

令和7年(2025)4月9日 笠間稲荷「例大祭」です。

■4月9日 笠間稲荷「例大祭」です。■

「笠間稲荷神社(かさまいなりじんじゃ)」は、別称「胡桃下稲荷(くるみがしたいなり)」「紋三郎稲荷(もんざぶろういなり)」と呼ばれる神社本庁の別表神社です。本殿は万延元年(1860)建立の建築で、周囲の彫刻は国の重要文化財に指定され、「三頭八方睨み龍」「牡丹唐獅子」は特に有名です。

御祭神は「宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと:正一位の最高位の神)」。第36代孝徳天皇の御代、白雉2年(651)創建、1350余年の歴史を有する由緒ある神社で、日本三大稲荷のひとつです。五穀の神「宇迦之御魂命」は、生命の根源を司る「いのち」の根の神「稲荷大神(いなりおおかみ)」と古くから同一視され、農業の守護神、商業、工業、殖産興業、交通安全、厄除、火防の神として広く崇敬されています

稲荷大神にとって「キツネ」は、熊野神社の「カラス」、八幡神社の「ハト」、氏神さまの「狛犬」などと同様に神さまのお使いをする霊獣で、「神使(かみのつかい)」「眷属(けんぞく)」などと呼ばれます。

中世の時代、人間が持っている様々な欲望を、直接神さまに祈願するのは畏れ多いとして、特別に選ばれた動物を通してお願いすることが行なわれたことによるものです。キツネがお使いとして選ばれたのは、稲荷大神が農業神であることと深く結びついています。

日本人には古くから神道の原形「山の神、田の神」が信仰されていました。春になると山の神は山から里へ降り、田の神となって稲の生育を守護し、収穫が終えた秋に山へ帰って山の神となります。ちょうどキツネが「農事の始まる初午の頃から収穫の終わる秋まで」人里に姿を見せる時期と重なります。

キツネが稲荷大神のご祭神と混同されるようになったのは、平安時代以降の神仏習合によります。稲荷大神が仏教の守護神「茶枳尼天(だきにてん)」垂迹(すいじゃく:仏菩薩が、仮に日本の神の姿をとって現れること)とされたからです。

茶枳尼天は、またの名を「白晨狐王菩薩(びゃくしんこおうぼさつ)」といい、キツネの精とされました。このことから一般民衆の間で、いつのまにか稲荷大神のご祭神とキツネが混同されてしまったと考えられています。

また、稲荷大神の別称「御饌津神(みけつかみ)」「ミケツ」が混同されて「三狐神(みけつかみ)」と記されたこともその一因。ちなみに御饌津神は、食物をつかさどる神(「饌(せん)」は、食物、食事、供え物のこと)で、キツネとは全く関係ありません。

◆笠間稲荷神社「例大祭」

4月9日は笠間稲荷神社創建の日とされ、もっとも重要なお祭りである「例大祭」が執り行なわれます。午前11時、正装した宮司以下神職、献幣使(けんぺいし)〔※〕、献香、献茶を奉仕する各宗匠(そうしょう)、氏子総代、全国よりの招待者が、雅楽を奏でる伶人(れいじん)等を先導に参進し、お米、お酒、海の幸、山の幸などを大神さまに供え、皇室の弥栄、国家の繁栄、世界平和を祈るとともに氏子、崇敬者、国民の幸福を祈願します。

※献幣使(けんぺいし):幣帛(へいはく)を奉献するために、神社本庁から所属の神社へ詣でる使者。幣帛とは、神に奉献するものの総称。

また、茨城県下醸造元からの銘酒奉納による「献酒祭(けんしゅさい)」も行なわれます。境内では、銘酒ラベル展をはじめ、池坊、古流・小原流の献花の展示、江戸千家・表千家・裏千家など各流派の野点(のだて)が行なわれます。

笠間稲荷神社(かさまいなりじんじゃ)
◇茨城県笠間市笠間1番地
◇JR水戸線「笠間駅」徒歩20分
◇北関東自動車道「友部IC」~国道355号約15分
◇公式サイト:http://www.kasama.or.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

境内の藤の樹は樹齢400年に及ぶもので、そのうち1本の「八重の藤」は花が葡萄の房のように集合して咲く珍しい種類です。藤棚はGWの頃が見ごろです。
読者の皆様、4月に入り暖かくなったとはいえ、朝夕は冷え込む日もあります。
時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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