■4月14日 京都、今宮神社「やすらい祭」です。■
正暦5年(994)創建と伝わる「今宮神社(いまみやじんじゃ)」の社格は旧府社で、主祭神に「大己貴命(おおなむちのみこと)」「事代主命(ことしろぬしのみこと)」「奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)」の3柱の神を祀ります。摂社の疫神社(えきじんじゃ)には「素盞嗚尊(すさのおのみこと)」を祀り、「紫野神社」ともいいます。
平安京で疫病が流行り、これを鎮めるため御霊会(ごりょうえ)が行われ、船岡山(ふなおかやま)に創建された疫病鎮護の神社が起こりと伝わります。
明治29年(1896)に本社殿を焼失しましたが、6年後の35年(1902)に再建し、西陣をはじめ多くの人々の崇敬を集めています。
「やすらい祭(やすらいまつり)」は、御霊会を現代に伝える行事として毎年4月の第2日曜日に行われます。「太秦の牛祭」「鞍馬の火祭」とともに「京都三奇祭」のひとつに数えられています。
やすらい祭は「夜須礼祭」「安良居祭」とも記され、花とともに飛び散ろうとする疫神を鎮めるために行われた「鎮花祭」と、御霊信仰(疫病をもたらすとされた御霊を恐れ,これを祭り祟りをまぬかれようとする信仰)に基づく「御霊会」とが結びついて生まれた花の祭りです。
「やすらい花や」と囃しながら町内を練り歩き、今宮神社に参ります。行列が掲げる風流傘と呼ばれる「花傘の中に入ると厄を逃れる」との言い伝えから、皆競って風流傘の中に入るのが習わしとなっています。
神社の境内では、大鬼が大きな輪になってやすらい踊りを奉納します。桜の花を背景に神前へ向かい、激しく飛び跳ねるように、そしてまた緩やかに「やすらい花や」の声に合わせて踊ります。
神社境内には、「阿呆賢(あほけん)さん」と呼ばれる「石」があります。手のひらで軽く3度叩いて持ち上げると重くなり、次に願いを込めて3度撫でて持ち上げ、軽くなっていれば願いが叶うといわれます。
門前に並ぶ和菓子屋では、名物「あぶり餅」が売られます。あぶり餅とは、きな粉をまぶした小さなお餅を竹串に刺して炭火であぶった後、白味噌の甘だれをかけた餅菓子です。疫病が蔓延した頃には、あぶり餅を人々に振舞ったとも。
あぶり餅に使われる竹串には、今宮神社に奉納された斎串(いぐし)が用いられ、病気平癒や厄除けの御利益があると伝えられています。
今宮神社
◇京都府京都市北区紫野今宮町21
◇公式サイト:http://www.imamiyajinja.org
◆今宮神社(京都府神社庁):http://www.kyoto-jinjacho.or.jp/shrine/03/019/index.html
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
今宮神社は古来から疫病や息災除けを祈願し、特にやすらい祭は健康祈願の祭礼で、京都三大奇祭です。
お出かけの際には風邪などお召しにならないよう
お体ご自愛専一の程
筆者敬白