■4月29日「奥州 日高火防祭(ひたかひぶせまつり)」です。■
岩手県奥州市水沢区で行なわれる「日高火防祭(ひたかひぶせまつり)」は、300年の歴史を持つ火防祈願の祭りです。
例年、4月28日に前夜祭、29日に本祭が催されますが、今年は29日の本祭のみ開催されます。
江戸時代、留守家21代の水沢城主・伊達宗景は、少年時代、伊達公の名代として江戸にあったとき、「江戸の華」といわれる火事の多いことに驚きました。明暦3年(1657)、江戸の大半を焦土と化した大火災が起きました。俗に「振袖火事」といわれ、この時の死亡者は10余万人を数えたと記録されています。
火災の恐ろしさを肝に銘じ、江戸での任を終えて帰郷するや火防の対策に万全の策を講じました。人智の不足、不慮の羅災を、神仏の加護によって未然に防止しようとし、日高妙見社の「日」は「火」に、瑞山神社の「瑞」は「水」に通ずるとして、両社に祈願するようになったことが、日高火防祭の始まりです。
23代・伊達村景の時代、享保20年(1735)水沢の大火の後、藩主は佐々木佐五平という者を江戸に派遣し、町火消組の機構や操作を学ばせ、江戸のいろは組にならって6町に1つずつ組をおいて町火消組を創設したと伝わります。
火防祭りは、京都祇園祭を模した華やか祭りで、豪華絢爛に飾られた9基の囃屋台が市街地を練り歩きます。屋台の上には、20人程の幼女が雛人形のごとく乗せられ、太鼓と三味線と笛の音に併せて調子を取ります。
あたりが夕闇に包まれる頃、JR水沢駅前を会場に屋台同士が仁義と礼をつくした「相打ち」と「揃い打ち」が行なわれます。7つの音曲からなる「日高囃子」は、岩手県の無形民俗文化財に指定されています。
奥州市水沢区出身で厄年を迎える男女で構成する厄年連は、25歳厄年連、42歳厄年連の2団体が祭の前座を勤め、祭を一層盛り上げます。
日高神社(日高妙見宮) Twitter Instagram
◇岩手県奥州市水沢日高小路13番地
◇東北新幹線「水沢江刺駅」車10分
◇在来線「水沢駅」徒歩5分
◆奥州市サイト:日高火防祭(岩手県無形民俗文化財)