2026.04.19
4月

令和8年(2026)4月26日 京都、松尾大社(まつのおたいしゃ)「松尾祭 神幸祭(おいで)」です。

■4月26日 京都、松尾大社「松尾祭 神幸祭(おいで)」です。■

「日本第一酒造神」として知られる「松尾大社(まつのおたいしゃ)」は、京都最古の神社です。式内社(名神大)、二十二社の一社で、旧社格は官幣大社。旧称「松尾神社」。本社と、摂末社の四大神・衣手・三宮・宗像(市杵島姫命)・櫟谷(いちたに、奥津島姫命)・月読(月読尊)の各社を併せて「松尾七社」といいます。

平安遷都により、「賀茂神社(かもじんじゃ)」とともに「皇城鎮護(おうじょうちんご)」の社として崇敬され、「東の賀茂、西の松尾」「賀茂の厳神(ごんじん)、松尾の猛霊(もうりょう)」と並び称されました。賀茂神社は「上賀茂神社(かみがもじんじゃ)」と「下鴨神社(しもがもじんじゃ)」の総称です。

本殿は、大宝元年(701)、秦忌寸都理(はたのいみきとり)が勅命を奉じて創建したと伝わります。以来皇室や幕府の手で改築され、現在のものは室町初期の応永4年(1397)建造にかかり、天文11年(1542)大修理を施したもの。建坪35坪余、桁行三間・梁間四間の特殊な「両流造(りょうながれづくり)」は、「松尾造」と呼ばれる珍しい建築様式です。宝物の等身大の木造男神坐像2体、木造女神坐像1体(ともに重文)は、我が国最古の神像のひとつとされています。

社の背後「松尾山(まつのおやま)」(標高223m)には松尾社の古社地があり、山頂に近い大杉谷には「磐座(いわくら)」(信仰の対象となる岩、神の在所)とされる巨石があります。

主祭神に
「大山咋神(おおやまぐいのかみ、おおやまくいのかみ)」
「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」

の2柱を祀ります。5世紀の頃の渡来人「秦氏(はたうじ、はたし)」が、山城国一帯に居住し、もともと守護神として土地の人びとが祀っていた「松尾山」の神を氏神としました。

秦氏は酒造の技術も伝えたことから、松尾大神は酒造の神としても篤く信仰されるようになりました。境内の拝殿横には、全国の酒造業者から奉納された「菰樽(こもだる)」が並べられています。

本殿右奥に湧く「亀の井」の水を酒の元水に混ぜると酒が腐らないという言い伝えが広まり、全国の酒造・醸造業者が酒水に混ぜる風習が生まれ、今も各地の蔵元が水を汲みに訪れます。天平5年(733)、この霊水が湧き出たとき、松尾大神より「この水で酒を醸すとき福が招来し家業繁栄する」「この水は諸病を治し寿命を延ばす」などとの御宣託があったといわれます。

摂社の「月読神社(つきよみじんじゃ、月讀神社)」は、境内に「神功皇后(じんぐうこうごう)」ゆかりの安産信仰発祥の石「月延石(つきのべいし)」を祀ることから、広く「安産守護のお社」として崇敬されてきました。月読神社の禰宜(ねぎ:神職)を代々担う「松室氏」の祖は、遡ると神祇官(じんぎかん)の官人をつとめていた「壱岐氏(いきうじ)」まで辿るとされます。壱岐氏は、早くから中国の「亀卜(きぼく)」(亀の甲羅を使う占いの一種)を日本に伝えるなど、「卜占(ぼくせん)」に通じた氏族(卜部氏)のひとつでした。

◆「松尾祭(まつのおまつり)」神幸祭と還幸祭

春、松尾大社で行なわれる「神幸祭(おいで)」と「還幸祭(おかえり)」は、古くは「松尾の国祭(こくさい、くにまつり)」とも呼ばれ、合わせて「松尾祭(まつのおまつり)」といいます。「国祭」とは、昔、京都の賀茂神社や松尾神社(のちの「松尾大社」)に「国司(こくし)」(律令制度下の地方官)が参向して行なった行事です。

明治時代には4月下卯日に「出御(おいで)」、5月上酉日に「還御(おかえり)」となり、昭和36年(1961)以降は4月20日以後の第一日曜日に「出御」、それから21日目の日曜日(5月)に「還御」となっています。

「神幸祭(出御祭)」には松尾七社のうち6社(大宮社、櫟谷社、宗像社、三宮社、衣手社、四之社)の神輿と月読社の唐櫃(からびつ)が、ご本殿のご分霊を受けて、拝殿を3回廻り(拝殿廻し)、順次社頭を出発します。

それから松尾、桂の里を通り、「桂離宮(かつらりきゅう)」の東北方から「桂川(かつらがわ)」を船で渡り、左岸堤防下で七社勢揃いします。古例の団子神饌(しんせん)を献じたあと、4基の神輿と唐櫃とは西七条御旅所に、2基の神輿は川勝寺と郡の末社に至り、そこに駐輦(ちゅうれん:天子が行幸の途中で車をとめること)されます。

松尾大社
◇京都府京都市西京区嵐山宮町3
◇阪急電車「松尾大社駅」
◇JR「京都駅」から市バス「松尾大社前」
◇公式サイト:https://www.matsunoo.or.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

船渡御は一時期中断していたのを、氏子の皆さんの熱意により復活したそうです。春の明るい日差しに輝く桂川の川面の上を、真紅の御衣で覆った神輿を乗せた舟が滑り渡る壮麗な光景は、絵巻物の一段のようです。
季節の変わり目です。皆様、時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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