2026.03.13
3月
二十四節気

◆二十四節気◆令和8年(2026)3月20日「春分(しゅんぶん)」です。◆

◆二十四節気◆令和8年(2026)3月20日「春分(しゅんぶん)」です。◆

令和8年(2026)3月20日23時46分「春分」です。旧暦2月、卯(う)の月の中気で、天文学的には太陽が黄経0度「春分点(しゅんぶんてん)」を通過するときをいいます。

「春分」を境に昼がだんだん長くなり、気温も上昇していきます。この時期から本格的な春の訪れを感じられます。「彼岸の中日」にあたり、「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、これは「冬の寒さは春分頃まで、夏の暑さは秋分頃までには和らぎ、しのぎやすくなる」という意味です。また、「暦便覧」「日天の中を行て昼夜等分の時なり」と記されているとおり、「春分」では太陽は真東から昇って真西に沈み、昼夜の長さがほぼ同じになります。

見み上げゐる春分の日の時刻表 ―― 井上康明

実際には、昼の方が夜よりも長く、春分の日の昼の長さは平均12時間7分、夜の長さは平均11時間53分です。昼夜の長さの差が最も小さくなる日は「春分」の4日ほど前になります。

◆春分点・秋分点

天球上における太陽の道を「黄道(こうどう)」といいます。地球上の赤道を天球に延長させた大円を「天の赤道」といい、恒星や惑星の位置を決める基準となります。地球の地軸は、公転面の垂線に対して傾いているので、黄道は赤道に対して23.4度傾いていることになります。

黄道と赤道の交点を「分点」といい、黄道が南から北へ交わる点を「春分点(しゅんぶんてん)」、黄道が北から南へ交わる点を「秋分点(しゅうぶんてん)」といいます。春分点での黄経は0度です。

太陽が春分点を通過する瞬間を「春分」、春分を含む日を「春分日」といいます。

ちなみに「月の通り道」は「白道(はくどう)」といいます。

日差しの明るさに誘われて外出をしたくなるころですが、まだ風が冷たい日もあります。道端に「菫(すみれ)」「蒲公英(たんぽぽ)」が咲き始め、「木蓮(もくれん)」の木の枝には赤紫色や白色の花が空に向かって開きます。そろそろ「土筆(つくし)」たちが地面から頭を出します。年によっては、すこし早めの「桜の開花」の便りが届きます。

野の花が咲き、農耕の準備をする時期になると、虫などの小さな生き物も動き出し、それにつれて活動を始めた鳥たちも、あちらこちらで囀り始めます。天高くまっすぐに舞い上がる「雲雀(ひばり、告天子)」の声も、耳であじわう春の景物のひとつです。

永き日も囀(さへづり)たらぬひばり哉 ―― 芭蕉
うつくしや雲雀の鳴(なき)し迹(あと)の空 ―― 一茶

 

◆春分の日、春季皇霊祭

この日は、国民の祝日「春分の日」です。「自然をたたえ、生物を慈しむ」との趣旨です。大東亜戦争前は「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」といっていました。「春季皇霊祭」は、毎年、「春分の日」に宮中の「皇霊殿」で行なわれる皇室の大祭で、天皇自ら親祭(しんさい)し、歴代の天皇・皇后・皇族などの皇祖の神霊を祀る「宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)」です。「春季皇霊祭」「秋季皇霊祭」は、それぞれ「春分の日」「秋分の日」に斎行されます。

記紀などに、皇室によって先祖を祀る祭儀が行なわれていたと記録されています。平安時代の中期以降は、京都御所の「清涼殿(せいりょうでん)」の「黒戸(くろど)」の間(黒戸の御所)において仏式で執り行なわれていました。明治の神仏分離令により、神式による祭儀に変更されました。

◆七十二候◆

初候◆雀始巣(すずめ はじめて すくう)
春の気ますます盛んとなり、雀が巣を作り構え始める。
次候◆桜始開(さくら はじめて ひらく)
本格的な春となり、ようやく桜の花が咲き始める 。
末候◆雷乃発声(かみなり すなわち こえをはっす)
遠くで雷音が聞こえる時節。

◆春分の頃の花◆

「木蓮、木蘭(もくれん)」 モクレン科モクレン属の落葉低木(常緑のものもある)。学名 Magnolia liliiflora 。属名は、フランスの植物学者ピエール・マニョル Pierre Magnol にちなむ。日本には、古い時代に中国から渡来し、観賞用に庭や公園、街路に植えられている。中国原産とされているが、非常に古くから栽培されていたため正確な場所は不詳。

春、大きく美しい花が上を向いて6枚の花弁を開き、香りもよい。多くの交雑種があり、花の色は暗紫色、紫紅色、内側が白いピンク色、真っ白なものなど様々。葉は倒卵形から楕円形で互生する。ほとんどの種が、葉が出る前に大型の花を咲かせる。果実は袋果(たいか)で、成熟すると果皮が裂けて種子を放出する。

シモクレンなどの花芽を乾燥させたものは「辛夷(しんい)」という生薬になる。また、木蓮(マグノリア)の花の芳香は古くから愛され、香水や香料の原料にも。葉も香りがよく、食用として、あるいは食物を包んだりして利用されることがある。

水気の多い南風がかるく吹いて、この間種を下した麦だの、その他の草花の青い芽が、スイスイと一晩の中に萌え出て仕舞って居る。私のきらいなあの紅い椿も、今日は、うるんだ色に見えて居るし、高々と、空の中に咲いて居る白木蓮の花が、まぶしい。 ―― 宮本百合子『南風』

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

桜の開花予想が報道されています。そしてスギやヒノキの花粉の飛散情報を毎日確認している人も多いでしょう。春になると植物も活発に動き始め、良くも悪くも私たちの生活に変化をもたらします。
感染症対策のみならず花粉対策でもマスクが手放せない季節です。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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