■9月19~20日 神奈川、寒川神社「例祭」です。■
相模国一之宮「寒川神社(さむかわじんじゃ)」は式内社で旧社格は国幣中社。「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」では「相模国高座郡寒川神社」と記載され、「大社」に列しています。現在は神社本庁の別表神社。
創祀年代は不明。雄略天皇(456~)の代に奉幣(ほうべい、ほうへい)〔※〕、また神亀4年(727)社殿建立と伝わります。源頼朝(みなもとのよりとも)、北条義時(ほうじょうよしとき)、武田信玄(たけだしんげん)などの武将、そして、徳川家代々の篤い信仰を受け、1500年余の歴史を有します。
※奉幣(ほうべい、ほうへい):神に「幣帛(へいはく)」をささげる。神をまつる。「幣帛」とは、神社で神前に奉献するものの総称で、「みてぐら」「ぬさ」とも。
「相模川(さがみがわ)」の河口から約7km遡った左岸の低い台地に鎮座。古代には「相模湾(さがみわん)」がこの辺りまで入り込んでおり、神社からさらに8km上流の海老名市国分付近に相模国の国府があったものと考えられています。
御祭神として「寒川比古命(さむかわひこのみこと」「寒川比女命(さむかわひめのみこと)」を祀り、2柱を総称して「寒川大明神」といいます。
「寒川大明神」は、広く関東地方を開拓・開発した神として古くから敬われてきました。「関八州(かんはっしゅう)」の守り神として、また江戸の正裏鬼門を護る社として、全国唯一の「八方除(はっぽうよけ)」の守護神として崇敬されています。
「八方除(はっぽうよけ)」とは、家相、地相、方位、日柄などからくるすべての悪事災難を取り除くこと。寒川神社は、全国唯一の「八方除」の守護神です。あわただしい現代社会では、住居、方角、運勢などの吉凶を判断したとしても、法則に従って行動することはなかなか難しいもの。大難は小難、小難は無難に過ごせるよう八方除の祈願に多くの参拝者が訪れます。
「八方位(はっぽうい)」とは、「四方(しほう)」すなわち「東西南北」に、その「四隅(しぐう)」すなわち「東北、東南、西南、西北」を合わせた8つの方位のこと。
「平安京」が遷都された際、東西南北の地に「四神相応(しじんそうおう)」を配したとされています。鴨川を東方を司る「青龍(せいりゅう)」、山陽道を西方を司る「白虎(びゃっこ)」、南の巨椋池(おぐらいけ)を南方を司る「朱雀(すざく、すじゃく)」、船岡山(ふなおかやま)を北方を司る「玄武(げんぶ)」に見立て都の守護としたのです。「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」における「結界」を結ぶことになり、その方角から悪いものが入ってこないとされます。
「陰陽五行説」や「陰陽道(おんみょうどう、いんようどう)」によれば、「天の動きは地上にも影響を与え、星々に凶相が現れれば、方位をも左右する」とされます。「方角の良し悪しで事の成否が決まる」とされ、特に「北東は鬼が出入りする」といい、何事につけ忌み嫌いました。「京都御所」の北東にあたる「猿が辻(さるがつじ)」の築地塀(ついじべい)は、L字型に隅をへこませることで鬼門除けが施されています。
人が行動するとき、その行動には必ず方向があり、方位があります。この方向・方位に関する目に見えない力、法則性を研究したのが「方位学」です。その時どきの「良い方角(吉方」)と「悪い方角(凶方)」があり、それがどの方角であるかを見極め、失敗のおそれの少ない「良い方角」を選んで、健康で幸せな人生を過ごす手助けとします。
◆寒川神社「例祭」
寒川神社の「例祭」は、一年で最も重要なお祭りです。毎年9月20日、「寒川大明神」の日頃の御神徳に感謝し、氏子崇敬者が多数参列し斎行されます。前日の19日から「流鏑馬神事」、献花、献茶などの神賑行事が行なわれます。
19日
午前10時 … 商工祈願祭。献灯奉告祭
午後1時 …「宵宮祭」
午後2時 … 流鏑馬神事
20日
午前10時 …「例祭」
例祭期間に合わせて、境内一円では剣道大会や空手演舞、柔道大会などが奉納され、夜は奉納提灯がともされ参道を照らし、万灯パレードや神輿巡行も行なわれます。
寒川神社
◇神奈川県高座郡寒川町宮山3916
◇JR相模線「宮山駅」徒歩5分
◇公式サイト:https://samukawajinjya.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
四神相応、八卦、方位を生活の中に取り入れているかたは、ぜひ寒川神社の例祭に参加なさって下さい。数年前から、参加した皆さんの生活様式が、徐々に変わっていくのを見かけます。何らかの啓示があるのでしょうか。
例祭に限らずよい方位のとれるタイミングで、いちどは祐気採りにお出かけください。
あと10日で10月。夏バテが出始める時期です。
皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白