■9月13日「世界の法の日」です。■
「世界の法の日」は、昭和36年(1961)東京で開催された「法による世界平和に関するアジア会議」で提唱されました。この会議は、「法の支配」を国際社会で確立することによって「世界平和」を実現しようという趣旨で開催されました。
これを受けて、昭和40年(1965)9月13日からワシントンで開催された「法による世界平和(World Peace Through Law)に関する第2回世界大会」で、この日を「世界の法の日」とすることが宣言されました。「法の支配」への貢献という点では、アジア発の貴重な例です。
当時の国際社会は、冷戦下のもとで、法の支配を重視することに重要な意義が見出されたのです。しかし冷戦終了後に訪れた、アメリカの一人勝ちの国際社会では、国連憲章をはじめとする法による支配でなく、「国益による支配」を優先する風潮が目立ちます。
昭和45年(1970)に国連総会で採択された「友好関係原則宣言」(国際連合憲章に従った諸国間の友好関係及び協力についての国際法の原則に関する宣言)には、「国際の平和と安全の維持」には、諸国民の友好関係及び協力に関する国際法の原則を誠実に遵守し、義務を実行することが重要であり、その原則は「国際連合憲章」に従うと書かれています。
21世紀の国際社会を、「国際法によって秩序を維持する社会」にするためには、それぞれの国や市民が自ら努力することが改めて大きな課題となっています。振り返れば大東亜戦争から冷戦時代を経て、大国による国益優先の現行の流れを変えて、国際法が支配する社会を作っていくことが、唯一、「暴力の連鎖を断ち切る」方法といえるでしょう。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
日本国内では憲法改正の機運が高まっています。ロシアのウクライナ侵攻、東シナ海や尖閣諸島周辺では権益をめぐって国際紛争の火種になっています。近い将来に起きる可能性がある台湾有事に備える動きもあります。また、隣国との徴用工問題は混とんとした様相です。本当の意味の権益を守って欲しいものです。
相互利益は相互理解から生まれます。一方の国が一方的に非難していても解決になりません。国際紛争に関しては、国内法の限界があります。日本国憲法は国民の生命、財産を守る法律であって欲しいと強く願います。
筆者敬白