■8月2~3日 三重、桑名宗社(春日神社)「桑名石取祭(くわないしどりまつり)」です。■
桑名の総鎮守「桑名宗社(くわなそうしゃ)」は、「桑名神社」と「中臣神社」の2つの神社から成る、全国的にも珍しい神社で、「桑名首(くわなのおびと)」の祖神(おやがみ、そじん、そしん)を祀ります。「桑名神社」「中臣神社」ともに『延喜式神名帳』に名を連ねる古社であり、20町ほど西の山上にあった「中臣神社」が正応2年(1289)に「桑名神社」の境内に遷座しました。
「桑名神社」の御祭神は、「天津彦根命(あまつひこねのみこと」「天久々斯比乃命(あめのくぐしびのみこと)」。「天津彦根命」は、桑名開発の豪族「桑名首」の祖神であり、「天久々斯比乃命」は「天津彦根命」の御子神(みこがみ:子にあたる神)です。古来、「桑名の地主神、産土神」として仰がれています。
「中臣神社」の御祭神は、「天日別命(あめのひわけのみこと)」で、相殿に「春日四柱神(かすがよはしらのかみ)」「建御雷神(たけみかずちのかみ)」「斎主神(いわいぬしのかみ)」「天児屋根命(あめのこやねのみこと)」「比売神(ひめかみ)」を祀ります。永仁4年(1296)奈良の「春日大社(かすがたいしゃ)」から「春日四柱神」を勧請して合祀。以来、通称「春日神社」、土地の人びとには「春日さん」と呼ばれ、「厄除けの神様」として親しまれています。
◆桑名石取祭(くわないしどりまつり)
桑名宗社にはもともと「比与利祭(ひよりまつり)」(現在の「前期桑名祭」)と「御車祭(みくるままつり)」(現在の「後期桑名祭」)という2つの大きな祭礼がありました。「比与利祭」では、石取神事、流鏑馬(やぶさめ)神事、ねり物神事などが行なわれ、そのなかの石取神事が宝暦年間(1750年代)に独立、祭礼化して、現在の「石取祭(いしどりまつり)」になったといわれています。
「石取祭」の神事のひとつ「献石神楽(けんせきかぐら)」では、「比与利祭」の石取神事と同じように、氏子たちが桑名市南郊の「町屋川(まちやがわ)」へ行き、清流に禊して拾い採った清浄な栗石(くりいし)を奉納します。
「石取祭」は、毎年8月第1日曜日を「本楽(ほんがく)」、前日の土曜日を「試楽(しんがく)」として行なわれます。土曜日の深夜0時から日曜日の深夜まで、40台の「祭車(さいしゃ)」が鉦や太鼓を打ち鳴らしながら町を練り歩くことから、「日本一やかましい祭り」といわれる天下の奇祭です。祭車は見事な彫刻が施されたもの、漆を塗り天幕をつけた豪華なものや歴史の長いものもあります。
平成28年(2016)「山・鉾・屋台行事」の構成遺産としてユネスコの無形文化遺産に登録されました。国の重要無形民俗文化財。
桑名宗社(春日神社)
◇三重県桑名市本町46番地
◇JR東海関西本線「桑名駅」~三重交通バス「本町」下車~徒歩約1分
◇公式サイト:http://www.kuwanasousha.org/
◆「石取祭」(桑名石取祭保存会):https://kuwana-ishidori.com