2025.07.23
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令和7年(2025)7月30日~8月1日 大阪、住吉大社「住吉祭(すみよしまつり)」です。

■7月30日~8月1日 大阪、住吉大社「住吉祭(すみよしまつり)」です。■

摂津国(せっつのくに)一の宮「住吉大社(すみよしたいしゃ)」は、全国に約2300社余ある「住吉神社」の総本宮です。神功皇后摂政11年(211)、この地に鎮斎したと伝わります。実際の創建は、干支二運(120年)を繰り下げて5世紀初頭と推測されます。

御祭神は「住吉三神(すみよしさんじん)」「息長足姫命(おきながたらしひめのみこと:神功皇后)」です。

「住吉三神(すみよしさんじん)」
底筒男命(そこつつのおのみこと)
中筒男命(なかつつのおのみこと)
表筒男命(うわつつのおのみこと)

住吉三神、あるいは、息長足姫命を加えた4神を「住吉大神(すみよしおおかみ)」とも呼びます。

「伊邪那岐命(いざなぎのみこと)」は、火の神「カグツチ」の出産で亡くなった妻「伊邪那美命(いざなみのみこと)」を追って、黄泉の国に行きました。しかし、妻を連れて戻ることはできず、地上へ戻りましたが、その身には穢れを受けてしまいました。その穢れを祓い清めるため、海に入って禊祓(みそぎはらえ)をしたときに海中より生まれたのが「住吉三神」です。

第14代仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)の妻「神功皇后(じんぐうこうごう)」は、新羅に出兵する際、住吉大神の守護を受けました。新羅遠征では、おおいに国内の平定ができたため、住吉大神を祀り、自身も「息長足姫命」として祀られました。

「住吉三神」は、海の中から出現したため、「海の神」として信仰され、古くから航海関係者や漁民のあいだで崇敬されてきました。奈良時代、「遣唐使(けんとうし)」派遣の際には、海上の無事を祈りました。江戸時代、海上輸送が盛んになるとともに、海上安全の守護として運送船業の関係者のあいだにも信仰が広がりました。

第一本宮から第三本宮まで縦に、第四本宮は第三本宮の横に並ぶ「縦並び」の建築配置は珍しく、住吉大社だけの配置です。あたかも大海原をゆく船団のように立ち並び、「三社の縦に進むは魚鱗の備え 一社のひらくは鶴翼の構えあり よって八陣の法をあらわす」とも言い伝えられています。

本殿は、神社建築史上最古の様式の「住吉造(すみよしづくり)」です。「幸寿門(こうじゅもん)」前に立つ「角鳥居(かくとりい)」は同社を代表する鳥居として参拝者に親しまれています。石造の「明神鳥居(みょうじんとりい)」の形式で、重心が低くどっしりとした造形です。柱の形状が四角い角柱である点が特徴で、「住吉鳥居(すみよしとりい)」とも呼ばれます。

◆住吉祭(すみよしまつり)

「住吉祭(すみよしまつり)」は、住吉大社の例大祭「夏越祓神事(なごしのはらえしんじ)」です。住吉三神が禊祓で出現したことから「禊祓の神」であり、神道で最も大事な「祓(はらえ)」を司ります。したがって、「住吉祭」は大阪全体を清める意義があり、古くから「おはらい」とも呼ばれています。

華麗に着飾った夏越女(なごしめ)、稚児らが「茅の輪(ちのわ)」をくぐる儀式が行なわれます。「五月殿(さつきでん)」で大祓式が執り行なわれたあと、一般市民も参加して本宮に参進しながら茅の輪をくぐること3度。茅の輪をくぐる際に「住吉の夏越の祓する人は千年(ちとせ)のよはひのぶといふなり」という和歌を口ずさみます。

第一本宮で祭典が行なわれ、神楽「熊野舞」や「住吉踊り(すみよしおどり)」が奉納されます。

8月1日、「住吉大神」の御神霊(おみたま)をお遷しした神輿が行列を仕立て、堺にある御旅所「宿院頓宮(しゅくいんとんぐう)」までお渡りする「神輿渡御(みこしとぎょ)」が行なわれます。神輿は重さ700貫(約2t)、轅は11mと非常に大きく、「住吉反橋(すみよしそりはし)」を渡る姿は見所のひとつとなっています。総勢1200名以上の奉仕者が行列を成して街道を南下、大阪市と堺市を隔てる「大和川(やまとがわ)」では神輿が川の中を勇壮に練り回ります。

住吉大社
◇大阪市住吉区住吉2丁目9-89
◇南海本線「住吉大社駅」徒歩3分
◇南海高野線「住吉東駅」徒歩5分
◇阪堺線「住吉鳥居前駅」
◇公式サイト:https://www.sumiyoshitaisha.net

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

住吉祭は、7月31日に大阪市の住吉大社で行われる例大祭を中心とした祭礼で、生國魂祭(生國魂神社)・天神祭(大阪天満宮)・住吉祭(住吉大社)と続く大阪三大夏祭りのひとつです。
「大祓い」とも呼ばれ、住吉大社の特別な夏祭りです。豊臣期大阪図屏風にも、住吉大社の「荒和大祓神事(あらにごのおおはらえしんじ)」の様子が描かれています。住吉祭で穢れを祓って茅の輪をくぐり、堺大魚夜市のセリに参加するなど大阪らしい夏祭りです。
お出かけの際には日中の暑さで熱中症、夜になっても熱帯夜で体調を崩さないよう、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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