2025.06.24
6月
雑節・歴注・撰日

令和7年(2025)6月30日「大祓(おおはらえ)」「夏越の祓(なごしのはらえ)」です。

■6月30日「大祓(おおはらえ)」「夏越の祓(なごしのはらえ)」です。■

「大祓(おおはらえ、おおはらい)」とは、宮中をはじめ全国の神社で一斉に行なわれる古式ゆかしい伝統的な「祓(みそぎ)」の神事で、6月と12月の晦日(みそか)に行なわれます。6月晦日の祓を「夏越の祓(なごしのはらえ)」、12月晦日の祓を「年越の祓(としこしのはらえ)」といいます。

日々の生活を送るうち知らず知らずに犯した罪や穢れを、禊によって祓い清めるための神事です。罪穢災厄(つみけがれわざわい)を「形代(かたしろ)」に託して祓い却ります。

「大宝律令(たいほうりつりょう)」(701)において正式な宮中行事となりました。宮中では、「朱雀門(すざくもん)」の広場に親王、大臣以下在京の百官を集めて、大祓えの詞を読み上げて、万民の罪や穢れを祓いました。

「応仁の乱」の年から行なわれなくなっていましたが、江戸時代に復活し、今では宮中だけでなく全国の神社で執り行なわれています。

夏越の祓では、「茅の輪(ちのわ)」をくぐって穢れを祓い、延命長寿と無病息災を祈るという「茅の輪祭り」が行なわれます。境内の結界内に建てる「茅の輪」は、茅(ちがや)または藁(わら)を束ねたものを結って作ります。「武塔神(むとうのかみ)」あるいは「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」が一夜のもてなしの礼に「蘇民将来(そみんしょうらい)」とその家族を悪疫から守ると約束し、その目印に茅で結った輪を腰につけさせた伝説に由来するといわれています。

 

茅の輪くぐりの作法

1、先ず、茅の輪の前に立って軽く礼をします。
2、左足からまたいで輪をくぐり、左回りに回って元の位置に戻ります。
3、茅の輪の前で軽く礼をします。右足からまたいで輪をくぐり、右回りに回って元の位置に戻ります。
4、茅の輪の前で軽く礼をします。左足からまたいで輪をくぐり、左回りに回って元の位置に戻ります。
5、茅の輪の前で軽く礼をします。左足からまたいで輪をくぐります。
6、ご神前まで進みます。二拝二拍手一拝の作法でお詣りします。

◇夏越の祓の風習◇

6月の大祓にあわせ、地域によって独自の風習が伝わります。京都を中心に、夏越の祓に「水無月(みなづき)」という和菓子を食する習慣があります。水無月の上部にある小豆の赤い色は悪霊祓いの意味があり、三角のかたちは暑気を払う氷を表すといわれています。

近年になって「夏越ごはん」という行事食を広める動きが出てきました。夏野菜の丸いかき揚げを雑穀米にのせた丼飯です。公益社団法人「米穀安定供給確保支援機構」が提唱したのが始まりです。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

明日から7月です。1~6月に被った罪穢災厄を、茅の輪をくぐり、夏越の祓で洗い落としましょう。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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