2025.06.16
6月

令和7年(2025)6月23~24日 東京、愛宕神社「千日詣り」です。

■6月23~24日 東京、愛宕神社「千日詣り」です。■

東京都港区愛宕の「愛宕神社(あたごじんじゃ)」は、標高約26mの自然の山「愛宕山(あたごやま)」の山頂に鎮座します。京都の愛宕神社が総本社です。

主祭神は、火の神の「火産霊命(ほむすびのみこと)」です。水の神「罔象女命(みずはのめのみこと)」、山の神「大山祇命(おおやまづみのみこと)」、武徳の神「日本武尊(やまとたけるのみこと)」を配祀します。「徳川家康(とくがわいえやす)」が信仰した「将軍地蔵尊・普賢大菩薩」も祀ります。

慶長8年(1603)徳川家康の命により「防火の神様」として祀られました。

「愛宕山」は、東京23区でいちばん高い山です。寛永11年(1634)三代将軍「徳川家光(とくがわいえみつ)」の御前にて、讃岐高松藩士「曲垣平九郎(まがきへいくろう)」が、騎馬で正面男坂の急勾配の階段(86段)を駆け上り、社に国家安寧の祈願をし、その後境内に咲き誇る「源平の梅」を手折り将軍に献上しました。曲垣は日本一の馬術の名人として名を馳せ、男坂の階段は「出世の石段」として有名になりました。

◆愛宕信仰(あたごしんこう)

京都市の「愛宕山」山頂に鎮座する「愛宕神社」が発祥。「火防の神」に対する神道の信仰です。京都・愛宕神社は、古くから「修験道」の道場となり、愛宕山に集まった修験者によって、江戸時代中頃から「愛宕信仰」が日本全国に広められました。愛宕の神は「火伏せ」に霊験のある神として広く信仰されるようになりました。日本全国で「愛宕」を社名にもつ神社は約1000社。愛宕の縁日は、地蔵の縁日と同じ毎月24日です。

◆千日詣り、ほおづき縁日

6月23、24日は「千日詣り(せんにちまいり)」です。社殿前にあ、無病息災と商売繁盛をお祈りする「茅の輪(ちのわ)」がしつらえられ、これをくぐってお参りすれば千日分の御利益(ごりやく)があるとされます。

愛宕神社の千日詣りには「ほおづき縁日」です。「浅草のほおずき市」が有名ですが、愛宕神社のほおづき縁日は更に古く、江戸時代から続いています。浅草の市も元々は愛宕から伝わったものです。はじまりは江戸時代、神託によって「ほおづき」が薬であるとされ、家族や隣人に飲ませたところ、子どものカンの虫が治まり、夫人の癪(しゃく:胃痛)が治ったことからといわれています。

愛宕神社
◇東京都港区愛宕1-5-3
◇JR「新橋駅」、日比谷線「神谷町駅」、銀座線「虎ノ門駅」、都営三田線「御成門駅」
◇公式サイト:https://www.atago-jinja.com

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

「桜田門外の変」で、大老・井伊直弼を狙う水戸浪士たちが待ち合わせたのが愛宕神社でした。昭和20年(1945)8月15日、敗戦降伏に反対する尊攘同志会の12名が篭城したのも愛宕神社でした。23区で最も高い愛宕山の上に鎮座する愛宕神社はいくども歴史の舞台になりました。
筆者敬白

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