2025.01.16
1月
雑節・歴注・撰日

令和7年(2025)1月23日「臘日(ろうじつ、ろうにち)」です。

■1月23日「臘日(ろうじつ、ろうにち)」です。■

「臘日(ろうじつ・ろうにち)」とは、二十四節気「大寒」に近い辰の日のことを指します。日本最古の暦「具注暦(ぐちゅうれき)」にも記載されていた暦注のひとつで、神事・嫁取りに凶とされていました。

臘日の日は「大寒に近い辰の日」のほかに、「丑月(ちゅうげつ:陰暦12月)8日または9日」「大晦日」「小寒のあとの2回目の辰の日」「大寒のあとの最初の戌の日」とすることもあります。

「臘」の字には、
・臘祭(ろうさい)
・年の暮れ、12月、臘月(ろうげつ)
・冬に作る塩漬けの肉、干し肉
・僧の得度後の年数、転じて、年功を積むこと

などの意味があります。「臘」は「猟」に通じ、中国には冬至のあとの3回目の戌の日(臘日)に猟の獲物を先祖百神に供える祭りがあり、それを「臘祭」といいます。

中国の臘祭の習慣は日本には伝わりませんでしたが、「循環暦」には、
「夏には嘉平と曰ひ、殷には清祀と曰ひ、周には大錯と曰ひ、秦には初て臘と曰ふ、皆祭の名也、主る者の各其行之盛日を以て祖と為し、終の日を以て臘と為す。乃至今の臘は辰日を以て臘日に取る。
夫れ季冬は水之終る時也。辰日は土之位也。
乃ち水土を以て本と為る故に大寒に近き辰日を臘として獣を取って先祖を祭り、鬼神に報する也、是の故に季冬を臘月と曰ひ大寒に近き辰日を臘日と云ふ」

とあります。

つまり、陰陽五行説では、「辰(たつ)」は「土気(どき)」、冬は「水気(すいき)」なので「土剋水(どこくすい)」となり、水気を土気で剋する(コントロールする)ために狩をして貢物を奉じて「辰の日を臘日とする」と説いています。

また、一年の終わりと新年のはじまりの境目となる12月のことを「臘月(ろうげつ)」、同様に12月の最後の日を「臘日」と呼ぶことがありますが、これは「臘」の字には「繋ぎ合わせる」という意味もあるとされることからといわれています。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

臘日とは古くからの習慣で現代では忘れ去られた暦です。現代に置き換えれば「肉」を供える日ということになるのでしょう。肉が手に入らない貴重な食料だった時代の名残りです。
便利な社会の中で忘れ去られた暦を振り返ることも余裕のひとつです。
暦の謂れを知ることで、昔の習慣や生活様式を紐解くなど、生活にもゆとりを持ちましょう。
筆者敬白

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