2024.11.03
11月

令和6年(2024)11月10日 京都「空也堂開山忌(くうやどうかいさんき)」です。

■11月10日「空也堂開山忌(くうやどうかいさんき)」です。■

「空也堂(くうやどう)」とは、紫雲山光勝寺極楽院(しうんざんこうしょうじごくらくいん)と号する天台宗の寺院で、「空也」を本尊とするため「空也堂」と呼ばれます。天慶2年(939)空也上人の開創と伝わり、当初は、三条櫛笥(くしげ)にあったので「櫛笥道場」とも「市中道場」とも呼ばれました。

平安中期の念仏僧「空也」は、鐘を叩き念仏を唱えて全国を行脚し、仏教の庶民層への布教に尽力する傍ら、橋を架け、道路や井戸を整備し、野にある死骸を火葬して荼毘に付すなど社会事業も行いました。
空也は「市聖(いちのひじり)」「阿弥陀聖(あみだひじり)」とも称され、後の「一遍」をはじめとする布教僧等に大きな影響を与えました。

天暦5年(951)村上天皇の時代に、京都に流行した悪疫退散のため、六波羅蜜寺の空也上人が自ら十一面観音像を刻み、車に乗せ、これを引いて市中を廻りました。このとき、仏前にお供えしていた小梅干しと結び昆布を入れたお茶を病人に飲ませたところ、やがて病気はおさまったと伝わります。
以来、村上天皇はこの徳にあやかり、毎年正月元旦にこのお茶を飲むようになり、「皇服茶」「王服茶」と呼ばれるようになりました。それが転じて「大福茶(おおぶくちゃ、だいふくちゃ、だいぶくちゃ)」となったといいます。

毎年11月第2日曜日、空也上人を偲んで開山忌(空也忌)の法要が営まれます。王服茶の献茶式の後、空也僧による「歓喜踊躍(かんぎゆやく)念仏」「六斎念仏(ろくさいねんぶつ)焼香式」が奉納されます。「京都の六斎念仏」は、重要無形民俗文化財に指定されています。

光勝寺極楽院「空也堂」
◇京都府京都市中京区蛸薬師通堀川西入る亀屋町288
◇阪急京都線「大宮駅」徒歩9分
◇京福嵐山本線「四条大宮駅」徒歩9分
◇京都市営地下鉄東西線「二条城前駅」徒歩10分
◇阪急京都線「烏丸駅」徒歩10分

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

空也といえば、辻説法と踊念仏です。歓喜踊躍念仏踊、六斎念仏踊など有名です。開山忌に参加してみると楽しい雰囲気の踊念仏、焼香式になります。影響を受けた一遍聖人が、各地を回って辻説法に道徳的規範を教えながら、橋や道路を作るのに行脚した気持ちがわかります。人が喜ぶことに尽力できることは、尊いことなのでしょう。
季節の変わり目です。お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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