■10月19~20日 東京、日本橋「べったら市」です。■
東京日本橋の大伝馬町から小伝馬への通りで開かれる「べったら市」は江戸時代から続く伝統のある市で、下町の風物詩となっています。
もともとは翌20日の「恵比須講(えびすこう)」に使う神像や打出の小槌、懸鯛(かけだい)、切山椒などを売る市でしたが、いつの頃からかここで売られる「べったら漬」が評判になり、市の名として定着してしまいました。現在では、大伝馬町界隈で様々な露店が300軒程連ねます。
「べったら」とは、干し大根を麹で浅漬けしたもの。上品な甘みの漬物です。
若者が混雑を利用して参詣の女性に「べったらだー、べったらだー」と呼び掛けながら、着物の袖に「浅漬大根(べったら)」をくっつけてからかったことから「べったら」の呼名になったのだとか。
「宝田恵比寿神社(たからだえびすじんじゃ)」は、日本橋七福神の恵比寿さまです。もと江戸城外・宝田村の鎮守で、徳川家康公の江戸入府の際に、三河から随行してきた馬込勘解由(まごめかげゆ)に下賜された恵比寿神像を祀ったもの。
慶長11年(1606)江戸城の拡張工事に伴い、宝田、祝田、千代田の三ヶ村は移転を命じられました。そこで馬込勘解由は宝田神社の恵比寿神を奉じ、住民を率いて、現在の日本橋の地に移転しました。馬込勘解由は三伝馬取締役となり、伊勢、駿河、遠江、美濃、尾張等から商人を呼び集めたため、あらゆる物資の集散地として栄えました。
宝田恵比寿神社は鎮守となり、商売繁盛、家族繁栄、火防の守護神として広く信仰を集めています。
宝田恵比寿神社
◇東京都中央区日本橋本町3丁目10番11号
◇地下鉄日比谷線「小伝馬町駅」徒歩3分
◇JR「新日本橋駅」徒歩3分
◆参考「日本橋べったら市」(東京にいたか屋):https://www.niitakaya.co.jp/lp/bettaraichi/
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
宝田恵比寿神社は火の守護神と伝わります。江戸時代には火の不始末による火事は後を絶たず、大火事の原因でした。時代は変わっても、これから暮れにかけて不審火は大火事になりかねません。皆様くれぐれも火の用心。
筆者敬白