■10月12~13日 大津、天孫神社例祭「大津祭」です。■
「天孫神社(てんそんじんじゃ)」は、延暦年間に創祀と伝えられ、古伝によると大同3年(808)に平城天皇が近江に行幸の際に行在所(あんざいしょ:天皇がお出ましの際の仮の御殿)として禊祓(みそぎはらえ)されたとあります。
また、建久年間に近江守護・佐々木定綱(ささきさだつな)が社殿造営、新田が奉納され、元亀年間には栗太郡青地の城主・青地伊予守より所領が寄進され、豊臣秀吉が大津城築城の際にその余材をもって修復されたと記録されています。
近江の国には大変に神徳の厚い社があり、それを昔の人々は一宮~四宮と称しました。一宮が「建部大社」、二宮が「日吉大社」、三宮が「多賀大社」、そして四宮が「天孫神社」です。
御祭神は「彦火々出見命(ひこほほでのみこと)」「大名牟遅命(おおむなちのみこと)」「国常立命(くにとこたちのみこと)」「帯中津日子命(たらしなかつひこのみこと)」で、大津の守護神として崇敬されています。
◆大津祭(おおつまつり)
例大祭は「大津祭」と称され、五穀豊穣に感謝の意を込め、氏子中で賑々しく行われます。
大津祭の曳山祭礼は、江戸時代の初め鍛冶屋町に住む塩売治兵衛という者が、天孫神社の祭礼に「狸面」を被って踊ったことに始まったと伝わります。後に、町内で竹の屋台を作り、木綿の幕を張り、鉦、太鼓の囃子で治兵衛が狸面を着け采を振って踊り、氏子町内を練り歩いていましたが、治兵衛が老年で踊れなくなったので、糸カラクリで腹鼓を打つ狸を作って町内を廻りました。
寛永12年(1635)からは、台に地車をつけて「曳山(ひきやま)」とし、子どもたちが引いて廻ります。寛永15年からは三輪の曳山を作り、やがて元禄、安永年間に現在の曳山が整えられました。
狸山をはじめ源氏山、石橋山など13基の曳山が豪華絢爛な見送り幕に飾られ、独特のからくりが巧妙に操られ、人々を楽しませてくれます。からくりの題材は中国の故事や能、狂言から取り入れられたものです。京都の祇園祭に匹敵するほどの祭といわれます。
天孫神社
◇滋賀県大津市京町3-3-36
◇JR「大津駅」徒歩8分
◇名神高速「大津IC」5分
◇公式サイト:http://www.tensonjinja.jp
◆NPO法人「大津祭 曳山連盟」公式サイト:http://www.otsu-matsuri.jp/festival/
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
歴史ある大津の天孫神社の大津祭は、京都祇園祭りにも匹敵する大祭です。次々繰り出す山車、曳山などその荘厳さや数など時代絵巻であり、圧巻です。
大祭が終わると秋本番に入ります。
二十四節気「寒露」も過ぎて季節の変わり目です。時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白