■9月20日「空の日」です。■
「空の日」とは、元「航空の日」のことです。明治43年(1910)、徳川好敏(とくがわよしとし)大尉(アンリ・ファルマン機)、日野熊蔵(ひのくまぞう)大尉(グラーデ単葉機)が、代々木練兵場に於いて、日本初の動力飛行を行い成功しました。その距離約300m。明治44年(1911)、所沢に日本初の飛行場が完成しました。
翌年9月20日、日本航空界の先駆者、山田猪三郎(やまだいさぶろう)が開発した「山田式飛行船」は、滞空時間1時間の東京上空一周飛行に成功しました。これを記念し、昭和15年(1940)9月20日「航空の日」と決め、以来大東亜戦争の終戦まで各種の行事が行われました。
一説には、3月10日の陸軍記念日や5月27日の海軍記念日を避けて、秋の晴れの特異日を選んだともされています。
一時中断していましたが、戦後の昭和28年(1953)に運輸省と日本航空協会が復活させ、民間航空再開40周年にあたる平成4年(1992)に「空の日」と改称されました。
シンボルキャラクターの「くにまるくん」は「空の日」改称の時に誕生しました。9月20日にちなんで「9(く)2(に)0(まる)」と命名されました。地球が飛んでいるその躍動的な姿は、地球的規模での航空による人、物及び文化の交流を表しています。
また、「空の日」のキャッチフレーズは、航空の楽しさと限りない可能性を表す「もっと感動、空はフロンティア」です。
民間航空再開以来、半世紀の間に地方空港開設をはじめとして、めざましい発展を遂げている日本の航空産業は、社会に欠かせない公共交通機関のひとつとなっています。
国土交通省航空局では、航空の発展に尽力された航空功労者に対して表彰を行う記念式典が開催されます。
また、9月20~30日を「空の旬間」とし、航空局・航空会社・空港管理会社などが全国各地の空港・レーダー事務所などにおいて、管制塔などの空港施設見学や航空教室など、さまざまなイベントを開催します。
◇空の日ネット:https://www.soranohi.net
◇国土交通省航空局「空の日」:https://www.mlit.go.jp/koku/03_information/02_sora/index.html
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
飛行機は、初め命がけで飛ばすものでした。飛行技術が確立すると、まず贅沢な乗り物になり、やがて大衆にも手が届く乗り物になりました。現在、1日に19万便もの飛行機が人やモノを乗せて世界の空を飛んでいます。
日本の旅客機産業は昭和40年(1965)3月30日に「YS-11」が量産1号機を運輸省航空局に納入、4月からはANAなど航空各社への納入が始まりました。日本が独自の旅客機を開発するのはYS-11以来、約40年間途絶えていたのです。
平成25年(2013)納入予定で開発が始まった三菱リージョナルジェット「MRJ」は残念ながら開発が中止されましたが、明治43年(1910)の日本人初飛行以来磨き積み上げた技術や信頼性の高い「ジャパン品質」で将来きっと世界に打って出てもらいたいものです。
筆者敬白