■9月11~21日 東京、芝大神宮「生姜祭り」「だらだら祭り」です。■
伊勢神宮の御祭神「天照大神」「豊受大神」を主祭神として祀る「芝大神宮(しばだいじんぐう)」は、寛弘2年(1005)の創建。一時期、准勅祭社とされた東京十社のうちの一社で、旧社格は府社。
武蔵国日比谷郷に鎮座していたことから「日比谷神明(ひびやしんめい)」(日比谷神明宮)、また、飯倉御厨(いいくらのみくりや:後の武蔵国飯倉庄)に鎮座していたことから、「飯倉神明」(飯倉神明宮)、さらに、芝の地に住民が居留したのち「芝神明」(芝神明宮)と称されるに至りました。
鎌倉時代には源頼朝、江戸時代には徳川幕府の篤い信仰と保護下に置かれ、江戸の産土神として庶民の信仰を集め「関東のお伊勢さま」として崇敬されました。
相殿に源頼朝公、徳川家康公を祀り、末社には出雲社・大国主命(おおくにぬしのみこと)、三島社・事代主命(ことしろぬしのみこと)、金刀比羅社・大物主命(おおものぬしのみこと)、熊野社・伊弉冉命(いざなみのみこと)など、16社の祭神を合祀し、稲荷社も祀られています。
芝大神宮例大祭は、だらだらと10日間ほども続くので通称「だらだら祭り」といいます。かつては1日間だけだった祭礼が、江戸時代に伊勢参りが流行するなか、江戸で最も高名な伊勢神宮分社である芝大神宮に参拝者が増えていき、それに合わせて祭礼期間も次第に伸びていったとされます。
隔年で町神輿十数基の連合渡御が行われるほか、不定期で本社神輿が氏子域を巡行します。鎮座日とされている9月16日に例祭の儀式が執り行われます。
鎮座当時、周辺が生姜畑だったことから境内や参道で盛んに販売され、「生姜市」「生姜祭り」と呼ばれ名物になりました。生姜には毒消し効果があります。江戸時代の軍学者・由井正雪(ゆいしょうせつ)が徳川幕府に謀叛を起こし、玉川上水に毒を流したその時、たまたま上水道の上流で老女が生姜を洗っていたために江戸は助かった、という伝説から大変な人気になりました。
神社で授与される生妻は「御膳生姜」と呼ばれ、厄除け縁起物として人気があり、食せば風邪をひかないと言われています。
また、芝大神宮は「め組の喧嘩」の舞台として知られます。
芝大神宮
◇東京都港区芝大門1-12-7
◇JR山手線・京浜東北線「浜松町」徒歩5分
◇都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門」徒歩1分
◇都営地下鉄三田線「御成門」徒歩5分
◇公式サイト:https://www.shibadaijingu.com
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
芝大神宮例大祭、別称「だらだら祭り」での「生姜祭り」は、これから秋が深まり風邪の引きやすい時期に備えて、生姜の持つ殺菌作用で、風邪の予防をしようという神事です。秋雨前線による秋の長雨から、風邪を引く人が増えると示唆しているようです。
皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白