■9月7~9日 群馬県太田市、大光院「呑龍上人開山忌(どんりゅうしょうにんかいさんき)」です。■
「呑竜(どんりゅう)」は、戦国時代から江戸時代前期にかけての浄土宗の僧です。字は故信、源蓮社然誉。武蔵国埼玉郡に生まれました。
幼くして故郷の林西寺(りんさいじ、埼玉県越谷市)の岌弁(きゅうべん)に師事して出家し、その後、江戸の芝、増上寺(ぞうじょうじ)で修学。後に武蔵国八王子の大善寺(だいぜんじ)の3世となって浄土宗檀林(だんりん、浄土宗僧侶の養成所)の基礎固めを行いました。
慶長18年(1613)徳川家康(とくがわいえやす)が、先祖とする新田義重(にったよししげ、源義重)を祀るために呑龍を招聘し、上野国太田に大光院(だいこういん)が建立され、呑竜はその開山となりました。
元和2年(1616)、孝心のため国禁を犯した子をかくまい、幕府から譴責されましたが、5年後に赦免されました。また、多くの子どもが間引かれて殺されていたことを悲しみ、これらの子どもを7歳まで弟子として引き取り養育しました。このことから「子育て呑龍」と呼ばれ慕われました。
大光院の山号は義重山。正式名称は義重山大光院新田寺。通称「子育て呑龍(こそだてどんりゅう)」「呑龍さま」などと呼ばれて親しまれ、現在でも多くの親子連れが参拝に訪れます。
広い境内には、上人の手植と伝えられる「臥龍の松」があります。関東大菊花大会の開催地としてもよく知られ、群馬七福神の弁財天となっています。
9月7日から9日、大光院では呑龍上人の忌日法要が行なわれます。稚児による礼讃舞が奉納されるほか、安産・子育ての祈願も行なわれ、今も変わらず人びとに慕われる「子育て呑龍さま」を忍びます。
義重山大光院新田寺
◇群馬県太田市金山町37-8
◇東武鉄道「太田駅」徒歩20分
◇北関東自動車道「太田桐生IC」約10分
参考サイト
◆「大光院の吉祥門」(太田市):https://www.city.ota.gunma.jp/page/4398.html
◆「まんが大田の歴史・大光院と呑龍上人」(太田市):https://www.city.ota.gunma.jp/page/4212.html