■9月2~15日 敦賀、氣比神宮「氣比の長祭(けえさんまつり)」です。■
北陸の総鎮守・越前一の宮「氣比神宮(けひじんぐう)」は、大宝2年(702)の建立と伝わる祭神七座の延喜式内大社で、伊奢沙別神に八幡の神々を祀った貴重な神社のひとつ。『古事記』や『日本書紀』他の史料によると、「氣比神社」「笥飯神」「氣比大神」などと呼称されていたようです。現在、市民には「けいさん」と呼ばれ親しまれています。旧社格は官幣大社。
昭和20年(1945)「敦賀大空襲」で大鳥居のみを残して焼失しましたが、昭和25年(1950)に再建され、以降、「昭和の大造営」を経て今の姿になりました。
御祭神は「伊奢沙別命(いざさわけのみこと)」で、別名「氣比大神」。ほか「帯中津彦命(仲哀天皇)」「息長帯姫命(神功皇后)」「日本武尊」「應神天皇」「玉妃命」「武内宿禰命」を祀ります。
9月4日、氣比神宮では例大祭が行われます。例大祭の前後に、
9月2日 宵宮祭(よいみやさい)
3日 神幸祭(しんこうさい)
4日 例大祭
5~10日 後日祭、10日祭
15日 月次祭
と、長いあいだ祭事が続くことから「氣比の長祭」、俗に「けえさんまつり」と呼ばれます。市民総参加で賑わう長祭りで、北陸の歴史的年中行事として有名です。
国道8号線に面して立つ大鳥居は、高さ約11m、柱間約7.5m。国の重要文化財に指定され、木造の鳥居としては、奈良の春日大社・広島の厳島神社とともに「日本三大鳥居」に数えられます。
海には航海安全と水産漁業の隆昌、陸には産業発展と衣食住の平穏に霊験著しく、篤く信仰されています。
氣比は「キビ」とも読まれ、御食国(みけつくに)の豊穣と大漁祈願が御神徳にあることから、穀類の黍(きび)から出た言葉が所以のようです。
氣比神宮
◇福井県敦賀市曙町11-68
◇JR北陸本線「敦賀駅」徒歩15分
◇北陸自動車道「敦賀IC」車10分
◇公式サイト:https://kehijingu.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
敦賀湾に面して立ち並ぶ氣比神宮の神苑「気比の松原」は、「日本三大松原」※のひとつです。
種々の異説がありますが、「日本三大松原」とは、以下の4松原と言われています。
気比の松原(福井県)
虹の松原(佐賀県)
三保の松原(静岡県)
舞子の松原(兵庫県)
それぞれが見事な松原として観光名所になっています。海岸の松原は、日本ならではの風物なのかもしれません。
筆者敬白